
映画『ブラック・スワン』を見てまいりました。
そこで、今回は映画の感想と芸術について思うところと、音楽ブログということでオススメのバレエ音楽を紹介します。
ということで、切り口もかなりオリジナルになるだろうし、私個人の経験(ダークサイド←)も書くつもりだし、クラシック音楽について、ちょっとだけマニアックに書くつもりなので、ご了承下さい。
映画の感想。
真面目なレビューは他の方が素晴らしい記事を書かれてますので、検索にかけて是非そちらを見て下さい。
ここは私のブログなので、私の感想等を。
まず、私がこの映画を見に行った大きな理由の1つは、主演がナタリー・ポートマンだから。
『レオン』とか『スター・ウォーズ』の『エピソード2 クローンの攻撃』と『エピソード3 シスの復讐』におけるナタリーが好きなんです。カワイイ&キレイ。
この映画でも綺麗さは健在でした…。
あとですね…ナタリーのとあるシーンを見て…『愛のむきだし』の満島ひかりちゃんと安藤サクラちゃんを思い出しちゃったり。
はい、こんなこと考えるのは、『愛のむきだし』ヲタの私くらいです。話の質が全然違うし、AAA西島くんのような罪な高校生は出てきません。
あと、血が苦手な人は控えた方がよいかも…なんてレビューもありましたが…
…私はですね、『愛のむきだし』を劇場で3回も見てるし(この映画もかなり血みどろですよ)、『冷たい熱帯魚』も最前列で見たくらいなんで、へっちゃらでした(それは誇れることなのか?)。
映画の感想…後述しますが、芸術分野に少しでも携わったことがある方には是非オススメします。
…すべての方に奨められる内容ではないかなあ…
例えば、『愛のむきだし』は全力でオススメします。それは、この映画がエンターテイメントだからです。主人公達の台詞や動きや演出面的なミクロな視点での楽しさと、ハイテンションな前半部分から一転して緊迫する後半部分とクライマックスに向けて盛り上がるストーリー展開といったマクロな視点での楽しさが凝縮された作品だからです。
苦悩からの開放、その先で得られるものが『愛のむきだし』の場合、非常に後味のよいものになっているからこそ、心もほっこりしますが、『ブラック・スワン』にはそれは一切ありません。よく言えば『深さ』、悪く言えば『後味の悪さ』。
『愛のむきだし』を一緒に見に行った人(ナタリーファンでもある)と今回も一緒に行ったのですが、映画が終わったあと感想を聞いても「怖い」の一言しか出てきませんでした(『愛のむきだし』の時は「板尾サイコー」とか「唇、唇」(←西島くんのこと)とかいっぱい感想出てきたのとはえらく対称的でした)。
じゃあ、「怖いから見ない方がいい」「楽しくないから価値はない」ではなく、ものすごく見る価値がある映画だと思います。
それは、共感性の高い映画だからです。
ナタリーを脅かす存在としてリリーという女性が出てきますが、
真面目に取り組んでるんだけどうまくいかない時、自分がいくら頑張っても敵わないほどの才能を持った人がそばにいたら…多少なりとも精神のバランスは崩れると思います。
芸術であればなおのこと。
私も小さい頃から様々な音楽分野に関わってきましたが、
ピアノとバンド活動を経験して、それを嫌というほど思い知らされた思い出があります。
私が経験した分野には、必ず天才肌な人がいました(そういう人に限って、自分の才能には無頓着だったり、楽しそうに(楽そうにとも言う)やってたり、逆に違う分野に夢中だったりする)。
嫉妬の気持ちで潰されそうになるんです。
大学時代、くやしくて泣きながら、手とギターを血だらけにして徹夜で練習した日々は今でも忘れておりません。頭の中が何かミシミシと侵されていく感覚なんです。
だから、劇中のナタリーの気持ちは痛いほど分かりました。
あそこまで芸術として突き詰めていくうちに、精神が崩壊してしまうんでしょう。置かれている状況に必要以上に過敏になってしまい、自分自身を追い詰めてしまうことで…。
そんなセンシティブな役を、ナタリーが見事に演じてくれました。
『痛さ』を共感できました。なるべく思い出したくない『痛さ』だけど、最後のナタリーの笑みにはいろいろ考えさせられました。
ブラック・スワンを演じたいと思わなければ…身の丈に合った役(ホワイト・スワンのみ)で満足していれば…ナタリーは幸せになれたかもしれません…でも自分にないものを欲しがる・羨ましがる気持ちは誰にでもあるもの、芸を生業としていればなおのことということで、芸術分野の難しさを感じながら帰宅しました。
その日は、プロコフィエフの『ロミオとジュリエット』を聴きながら寝ました。
私は『バレエ』という芸術分野には疎いのですが、私が音楽にのめり込むきっかけになったのが『バレエ音楽』なのです。
小学4年生のときに、ストラヴィンスキーの『春の祭典』というバレエ音楽に出会い、その美しさ・神秘性・原始性・狂暴性に衝撃を受け、テープが擦り切れそうなくらい繰り返し聴いていました。
同じ頃、母親がチャイコフスキーの『白鳥の湖』と『くるみ割り人形』が好きで、よく一緒に聴いていたのですが、こっちは『春の祭典』とは対称的に、流麗さや可愛らしさに感動してました。
高校2年生のときに、さらにマニアックな方面にエスカレートし、バルトークという作曲家の『中国の不思議な役人』という作品のCDを購入しましたが、こちらはネタがあまりにもグロく、ハマれませんでしたが(タイトルは『不思議な』じゃなく『不気味な』とか『キモい』役人だろ!)…
以下、オススメバレエ音楽一覧です↓
・ファリャ『三角帽子』
スペイン音楽の雰囲気やリズムがひたすらに素敵な作品。
・ストラヴィンスキー『火の鳥』
『カスチェイの凶暴な踊り』というところからラストまでが聴きどころ。美しいですよ。
・ストラヴィンスキー『ペトルーシュカ』
オケ版もよいですが、ポリーニの弾く『ペトルーシュカからの3楽章』というピアノ版もよいですよ。
・プロコフィエフ『ロミオとジュリエット』
ソフトバンクのCMで有名かもしれませんが、それ以外も美しいのですよ。
・コープランド『ビリー・ザ・キッド』
アメリカの作品です。西部劇が好きな方にオススメ。
・コープランド『ロデオ』
これはオススメです!!カウボーイの雰囲気とか、とにかくアメリカン!!『ホー・ダウン』はエマーソン・レイク・アンド・パーマーによってもカバーされています。とにかくカッコよす!なのです。
・ハチャトゥリアン『ガイーヌ』
『剣の舞』があまりにも有名ですが、私は『レズギンガ』の方が好きだったりします。
マニアックな記事になってしまいましたが、バレエ音楽はカッコいい作品も多いですよ淼

クラシック音楽に興味があれば、是非聴いてみて下さいませ

それではまた!!