「殺人シーン本番」（高木彬光、春陽文庫）

某月某日

古本屋にて高木彬光「殺人シーン本番」を購入する。

50円であった。

あんまりなタイトルと値段だが、神津恭介ものなので買った。

神津フェチなのである。

東大医学部法医学教室助教授であり探偵としても世に知られている神津恭介は、頭脳明晰は勿論容姿端麗でありアポローンに喩えられる。崇高たる凛々しさが想像されよう。

警察からも登場を請われる程だが、謙遜または多忙を理由に「ご出馬」が遅れ、被害を拡大させてしまうのが神津恭助の主な特徴である。

マスターピースの場合はその遅れこそが肝になったりするのだが、今回の作品集ではただただ遅れるばかりであった。

しかし、フェチはフェチ故にそれを楽しむのである。

この点では文句は言うまい。

さて、今回買った本はアマゾンでも画像がないので、下に載せておこう。

読者諸氏は括目されたい。

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フランス書院テイストの女が濡れた視線を送っている。

誰か分からない。

その下、美魔女になるためのヒップアップ体操か、顔面蒼白の女が尻をいじっている。

誰か分からない。

そして隣の中年男性。

誰か分から……アポローン!?

崇高たる凛々しさ……

瞑目。

殺人シーン本番―神津恭介傑作推理 (春陽文庫)
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第六十三どんとこい「殺人シーン本番」