グレースは城から離れる決心をして
アルフレッドに気づかれないように
慎重に準備を始めました。
移り住む場所は
ベサニーが用意してくれたようです。
グレースはアルフレッドに
少しの間
実家のレスター国へ帰ることを頼みました。
「お父さまが具合が悪そうなの
ほんの少しでいいから
レスター国に帰してくださらないかしら」
「どうか お願いします」
アルフレッドは不機嫌そうに
「少し具合が悪いくらいで大げさだな」
「しょうがない
三日で帰って来るんだぞ!」
としぶしぶグレースの申し出を
承知しました。
「片道 丸一日かかるのに
三日で帰ってこいだなんて・・・」
「お父さまといられるのは
たった一日だけなのね」
グレースは思いやりのない
アルフレッドに悲しくなりましたが
お城を離れる口実ができたことに
胸をなで下ろしたのです。
グレース姫物語 ⑪に続く