東南アジア各国で、新型コロナウイルスを日常的に発生する「エンデミック」とみなし、入国や国内規制を撤廃する動きが加速している。ワクチン接種や治療薬の開発が進み、重症化の抑制や医療体制の維持が可能との判断があり、欧米に続き社会・経済活動をコロナ禍前に戻そうと懸命だ。
厳格な入国規制を敷いてきたマレーシアでは四月一日から、ワクチンを接種済みの場合は、入国時のPCR検査などを経て隔離措置を不要とする。地元メディアによると、オミクロン株の拡大で新規感染者数は過去最悪規模だが「人口の半数以上が必要なブースター(追加)接種を済ませ、重症化率は1%以下」(保健当局)。公共の場でのマスク着用などの対策は残した上で、企業の出勤制限や飲食店の営業規制など大半の規制撤廃に踏み切る。
既に隔離なしの入国を再開しているタイでも「他国と同様、経済や社会活動を回復させなければならない」(アヌティン保健相)として、夏ごろまでに日常への復帰を目指す。