秋になって随分と過ごしやすい日が続くようになってきましたが、みなさん体調の方はいかがでしょうか。
台風など、気圧が大きく変動する時期は人も動物も体調を崩しやすいところ。
しっかり様子を見てあげることが重要です。
さて、今回のテーマはイヌ、ネコの関節炎。
年齢が上がってくると増えてくるのが関節疾患、それは人も動物も同じです。
ところでみなさん、その予兆を見逃してはいませんか？
早めに気づいて対策をすれば関節疾患による身体の衰えは遅らせることができます。
チェックポイント1
最近散歩に行きたがらない
「うちの子、ずっとお散歩が大好きだったのに、このところあんまり行きたがらないの…」
・足を引きずる
・動きがおかしい
など、わかりやすい症状があれば大体の方はよく見てらっしゃいますので気づいて病院にいらっしゃいます。
しかし、意外と見過ごしがちなのがこの“散歩に行きたがらない”という症状です。
心臓病などでも体調によって同じような症状を示すことがあるので、そういったことが何度かあるようであれば病院に相談してください。
チェックポイント2
寝てばかりいる
「前は仕事から帰ってくると飛んで迎えにきて、追いかけ回されて大変だったんだけどなぁ…」
大人になって分別がつくようになってきたんだな、なんて楽観視してはいけません。
散歩に行きたがらない以外の症状として気をつけたいのが走り回る頻度の変化です。
関節炎が進行してくると、関節の曲げ伸ばしの際に痛みが出たり、動きが悪くなったりします。
本当は飛んでお迎えに行きたいのに、痛みや身体の動かないもどかしさから寝ていることが多くなります。
しかし、歳だからと放置するのはあまりいいことではありません。
動かなければ関節はもっと固くなっていきますし、筋力も衰えてしまいます。
チェックポイント3
高いところに登らなくなった
「うちの子、タンスの上がお気に入りだったのに最近机の下がお気に入りみたい…」
特にネコちゃんにありがちなのが普段いる場所の変化です。
毎日散歩に行くワンちゃんと違い、ネコちゃんは家にずっといることが多く、体調の変化に気付きにくくなります。
最近の研究では5歳以上の猫の56.5%、11歳以上では実に90.6%が関節炎に罹患しているということがわかってきました。
（参照；毎日新聞「猫の関節炎 発症の仕組み解明 人間とは異なるメカニズム」）
今までは単なる老化による行動の変化と考えられていたものが、実は病気のせいだったかもしれない、ということがわかってきたわけです。
ここまで3つのチェックポイントでどうやって早めに関節の異常に気づくかといったところを話してまいりました。
では、関節炎の予防は何をしたら良いのでしょうか。
関節サプリメント
一つ目の方法がサプリの服用です。
テレビで毎日ヒト用の関節サプリのCMが流れていますが、動物も同様にサプリがあります。
コンドロイチン硫酸や抗酸化作用を持つものなど、様々ありますので病院で具体的に相談することをオススメします。きっとあなたのワンちゃん・ネコちゃんに合ったサプリを紹介できると思います。
※ネコちゃんの場合は次で紹介するリハビリはなかなか難しいので、まずはサプリの服用をお勧めします。
リハビリテーション
もう一つの方法がリハビリテーションです。
炎症がおこって動きが悪くなった関節を薬やレーザー、低周波振動などを用いて動きを回復させます。
炎症がある状態で無理に動かすと炎症が悪化しますので、急性期には行えません。リハビリは獣医師の指導のもとで行なっていただきます。
当院では椎間板ヘルニアなどの手術後のリハビリの他、老犬の関節炎や筋力低下に対するリハビリ、ダイエット目的のジムなど、様々なリハビリテーションを行なっています。
（リンク；過去のリハビリ記事）
病院内で行うリハビリの他、バランスディスクやマットを使ったリハビリの方法をお教えすることもしていますので、お気軽にご相談ください。
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獣医師 中山