今回は熱中症について簡単にご説明いたします。
「熱中症」とは、高温多湿環境下での高体温や脱水により生じる全身性の疾患です。
熱中症による症状は、食欲減退や下痢、嘔吐、チアノーゼ（舌などの粘膜色が青紫色になる）、呼吸困難、虚脱（ぐったりとして動かなくなる）、ショックなど様々なものがあり、重症の場合には命に関わることもあります。
全ての犬猫で熱中症になるリスクはありますが、特に短頭種や肥満などの身体的特徴がある場合、心疾患や呼吸器疾患などの病気がある場合には注意が必要です。
熱中症の疑いがあるときには、まず動物病院での受診をお勧めしますが、受診するまでの間に飼主様でできる処置をご紹介します。
熱中症の際に行う処置の基本は、上がりすぎた体温を下げる事です。
比較的簡単で効果的な冷却方法の一つとしては、常温の水道水で体を濡らし、扇風機等で風をあてる気化熱を利用した方法です。
＜気化熱を利用した冷却方法のイメージ＞
このとき注意する点は、冷やし過ぎた水を使用しないことです。
体温を下げると聞いた時にはつい「氷水」などを思い浮かべますが、過度の冷水を用いて急速に冷やした場合、体表の毛細血管が収縮し、体表面から熱が逃げにくい状況を作ってしまうため逆効果となってしまいます。
まだまだ暑い日が続きますので、引き続き熱中症にならないための暑さ対策をしっかりととってあげましょう！
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獣医師 安達