ゴヨルは、モンゴルの草原から始まります。
それは比喩ではなく、文字通りの意味です。
カシミヤは工場で生まれるものではありません。
寒暖差の大きい土地、乾いた空気、厳しい冬。そうした環境の中で育った山羊の毛が、素材のすべての出発点になります。
私たちは、原料の選定から紡績、編み、仕上げまで、すべての工程に関わっています。
効率だけを考えれば、外注したほうが早い工程もあります。それでも自分たちの手で管理するのは、品質が「途中」で決まってしまうことを知っているからです。
カシミヤは、同じ名前でも同じものではありません。
繊維の細さ、長さ、撚り、洗いの強さ。そのわずかな違いが、数年後の着心地に現れます。
一見すると分かりにくい違いこそが、長く着られるかどうかを左右します。
ゴヨルが目指しているのは、流行の一枚ではありません。
何度も袖を通し、冬が来るたびに手に取られる一枚です。
そのために、必要以上に飾らず、必要な工程には妥協しない。そんなものづくりを続けています。
このブログでは、私たちがどんな考えでカシミヤと向き合っているのか、
なぜこのやり方を選んだのか、そしてモンゴルのカシミヤが本来持っている価値について、少しずつ言葉にしていきます。
草原から始まった素材が、誰かの日常に静かに寄り添うまで。
その道のりを、ここに記していきます。