被災地へ 第5話 | ゴヤぴぃ日記

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防災庁舎


『あの日』、自分の命の危険を省みずに避難放送を続けた人がいました


津波が襲い来る瞬間まで避難を呼び掛け、多くの人を救いました


だが、その結末は…あまりに残酷なものとなりました



この場には、生き続ける事が叶わなかった多くの魂が『救い』の時が来るのを待ち続けているのかもしれません


鉄骨のみが残された建物の傍らには、供養の為に置かれた仏様や千羽鶴が供えられてました


俺達は線香をあげ、手を合わせました


何も言葉が浮かびませんでした


やっとここまで来たのに


やっと手を合わせる事が出来たのに


頭の中から言葉が出ませんでした


手を合わせた後、何気に足下を見たらシャッターがあったとされる位置に枠材が敷かれてたのですが、まるでバナナの皮を剥いたみたいにめくれていました

『どんだけの力が加わってんだよ…』

津波と瓦礫によるものだろうか

絶望的な何かを見た気持ちでした



防災庁舎そのものは写真を撮る事が出来ませんでした


仏様があるんですもん



撮れないです



でも周囲の景色だけはいただきました








↑3枚目を撮った後、頭がフワーッて感覚になりました



【これ以上は撮らないで】



魂がそう訴えてるように感じたので、3枚だけ周囲の風景を撮って撮影を止めました


この防災庁舎は決して観光地ではないと思ってます

だが、現実はそうではありませんでした

入れ違いで来たバスから観光客が降りて来てカメラを向けて笑いながらシャッターを切ってました


『多くの人が亡くなった場所なのに…』


写真を撮った、というだけなら俺も同類かもしれません


でも、俺は現状を伝えたい気持ちで最低限の枚数だけ撮らせていただきました



写真を見て下さい

まだ、現地は何も片付いてないのです


少し前、テレビで

被災地はもう復興した、と思ってる人もいる

と報道されました


もっと現実を

もっと真実を


知ってほしいです


複雑な気持ちを抱きながら、最後の目的地へと車は進みました



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