第1話 孤独な学校
この物語は、いじめなどにより自信をなくし学校で孤立しているジョバンニのシーンから始まります。
元々、主人公・ジョバンニは、秀才の親友・カムパネルラとともにクラスの人気者でした。ジョバンニの父親は海洋学者で学校に多くの珍しいものを寄贈しており、そんな父を持つジョバンニをクラスの皆はすごいすごいと褒めたたえていたのでした。
しかし、あることをきっかけに状況は一変します。
ある時、遠くの海に調査に出ていた父が予定の期日になっても帰らず、あげく”ラッコの密漁で捕まった”という噂まで流れてしまうのです。
それをきっかけに、ジョバンニは犯罪者の息子としてからかわれるようになり、そんな自分に引け目を感じていたジョバンニは、自らカムパネルラとも距離を置くようになるのでした。
第2話 放課後の仕事
父は戻らず、代わりに働きに出てた母も身体を壊し寝たきりになったため、ジョバンニの家はとても貧乏になりました。
そこでジョバンニが、学校が始まる前と後に働くようになったのです。そのため、祭りの日だというのに友達と遊びにも行けず、いつものように活版所へと向かうのです。
活版所でもジョバンニは、「虫眼鏡く~ん」と従業員たちからからかわれました。粟粒ほどに小さなルビ用のハンコを拾う仕事を任されていたため、お前は虫眼鏡の代わりだと嫌味を言われていたのです。
ジョバンニは、学校にも仕事場にも自分の居場所はなく独りぼっちだと感じていましたが、それでも涙をぬぐって病気の母のためにと一生懸命働くのでした。
第3話 病気の母
今日は活版所でいつもより多くお金をもらえたので、パンだけでなく角砂糖も買うことができ、母の喜ぶ顔が見られるとジョバンニはうきうきしながら家へ帰りました。
家に帰ると、何やらおいしい匂いがします。今日は嫁いで家を出た姉が母の見舞いに訪れ、トマトのスープを差し入れてくれていたのです。
貧しいジョバンニの家は毎日おかずもなくパンのみの晩御飯なので、ジョバンニはとても幸せな気分になりました。そして、そんなことは決してないとわかっていながらも、こんなに幸せならば、きっとこのまま行方不明の父も戻ってくるのではないかと淡い期待をしてしまうのでした。
第4話 時計屋の星図
母の牛乳を取りにジョバンニは町へ出ました。牛乳屋へいく途中に祭りが見られるぞ!と、ウキウキ楽しい気分で歌いながら坂を駆け降ります。
しかしそこへ、いじめっこのザネリが現れジョバンニの楽しい気分は一転するのでした。
町では『銀河のお祭り』に向かう人たちが幸せそうに笑っています。それを見たジョバンニは対照的な自分に悲しくなっていくのでした。
悲しい気分で歩いていると、時計屋のショーウインドーに飾られた黒曜石の星図が目に入ります。ジョバンニはその星々のあまりのうつくしさに現実も忘れて魅入ってしまいます。
そして、この辛く悲しい現実から離れて、うつくしい星の世界へいきたいと願うのでした。
第5話 少しの間・・・
ジョバンニが牛乳屋に着くと、そこに現れたのはいつもの牛乳屋のおじさんではなく、怪しげな老婆でした。老婆は、今は誰もいないから、もう少したってから来るようにとジョバンニへ告げ、そのまま奥へ消えてしまうのです。
そこでジョバンニは、少しの合間祭りをのぞいてから、また来ようと一度町へと戻ることにしました。
祭りを楽しもうと町へ戻ったジョバンニですが、ザネリたちと鉢合わせてしまいます。この町には死者の霊を弔うため烏瓜の燈火(あかり)を川へ流す風習があり、ザネリたちは川へ向かう途中でした。
ザネリたちはいつものようにジョバンニを執拗に冷やかします。その様子をカムパネルラは複雑な思いで見つめていましたが、何もすることが出来ず、傷ついたジョバンニは、逃げるようにその場を走り去ってしまうのでした。
第6話 黒い丘の天気輪
学校も仕事場も、そして自宅でさえ、ジョバンニの心がやすまる場所ではありませんでした。
これまで、がまんにがまんを重ね、一生懸命生きてきたジョバンニも、ついに心のダムが決壊してしまいます。そしてついに、黒い丘でこの世からの”旅絶ち”を願ってしまうのです。
そんな時、ふと遠くの川に流れる烏瓜の燈灯が目に入りました。
その灯りは死者の魂を乗せ、川から天の川へと昇っていくようです。そしてその幻想的な光景に目を奪われていると、死の世界への入口と言われる天気輪の柱までがはっきり見えてくるのでした。
するとその時、どこからともなく汽笛の音が聞こえ、ジョバンニの目の前に汽車が現れたのです。