今回のツアーを選んだのは、カウナスの旧日本領事館と
アウシュヴィッツを一度で巡る企画だったからです。
余りに重いテーマなので軽々に書き述べる事をためらって
いましたが、最大目標だっただけに報告させて頂きます。
ポーランド・クラクフの西54㎞にある「負の世界遺産」です。
今回、中谷剛(つよし)さんという素晴らしいガイドに恵まれました。
アウシュヴィッツ博物館で最初にして唯一の外国人公式ガイド
であり、通訳・翻訳家でもあります。
「ホロコーストを次世代に伝える」岩波書店 2007 他著書あり・・・
低音の落ち着いた説明は心に沁みるものがありました。 出会いに感謝!
観光とは、美しい景色を眺め、美味しいものを食べる娯楽性のある
レジャーの1つだが、これからはダークツーリズムが大きな流れに
なってきている。
アウシュヴィッツには年間210万人もの観光客が訪れている。
当日は学生の団体が多かった。 授業の一環かな・・・
[ダークツーリズム]
災害被災跡地、戦争跡地など、人類の死や悲しみを対象にした
学習の手段として捉える観光のこと。
ブラックツーリズム(英: Black tourism)又は「悲しみのツーリズム」
(英: Grief tourism)とも呼ばれている
これには、以下の土地などが含まれる。
古戦場や城跡として、スコットランドのカロデンやルーマニアのブラン城、
災害跡地として日本の原爆ドームや日本航空123便墜落事故の
御巣鷹の尾根、ウクライナのチェルノブイリ、ニューヨークのグラウンドゼロ、
虐殺のあったカンボジアのトゥール・スレン虐殺博物館、第二次世界大戦末期に
ナチス・ドイツが一日で廃墟にしたフランスのオラドゥール=シュル=グラヌ 等々。
☆自由の門 働けば自由になれる・・と騙されて連行されたが、
自由になった人はいない。
二重の鉄条網に囲われており、常時400ボルトの電流が流されていた。
☆レンガ造りの収容所はこぎれいに見えるが超過密に
押し込められて寝具も粗末、どれ程寒かったか・・
☆博物館1階には貴重な盗み撮りした写真など展示されている。
2階には膨大な遺品が、ドイツ人らしい几帳面さで分類・陳列
されている。
部屋ごとに、毛髪・靴・眼鏡・櫛・洋服ブラシなどなど・・
山のように保管・展示されている。
撮影禁止と言われているのに、スマホで写すツアー仲間には
驚いた、恥ずかしい。 故人の尊厳、只、心暗く見つめ歩むのみ・・
小さな赤い子供靴・・・たまりません!
☆花を捧げられている石壁
初期の段階でポーランドの知識人や反ナチの運動家などが
銃殺された処刑場。
☆2㎞離れたより大きなビルケナウ(第2収容所) 絶滅収容所。
鉄路、全国から貨車に詰め込まれてユダヤ人が
続々と送られてきた。
☆レンガの煙突が出ている低い建物は、ガス室、殺戮場。
ここだけで少なくても130万人以上処刑されている。
ホロコースト全体では600万人以上とか・・
☆すき間風が入り放題の木製収容所の三段ベッド
アンネ姉妹もここに収容された。 アンネ15才、ここで亡くなる。
中谷さんから読まなければならない本や話が沢山、紹介された。
戦後、専門家グループが、残酷な仕打ちをした収容所の看守などを
調査した結論は「彼等も普通の人だった」そうだ。 怖い話だ。
・戦場のピアニスト ・杉原千畝 もう一度見たい映画だ。
「夜と霧」
収容され生き残った精神科医ヴィクトール・フランクルの記録
・コルベ神父 長崎で伝道活動をしていた。 お世話していた
孤児達と共に収容され、最後まで祈っていた。
・身の危険を顧みずアンネ一家のお世話をし、その日記を
隠し持ち、戦後、父親に渡した主婦の話。
・ポーランドでは、東北大震災の時、日本人が互いに助け合う
姿に大きな感銘を受けたそうだ。
今回のクラブツーリズム添乗員後藤麻子さんは大変な
勉強家でバスの中でも沢山話をして頂いたので、中谷さんと
混同しているかも知れないが、短い時間に、余りに大きな刺激を
受けて混乱したまま今日に至る。 尻切れトンボのリポートですが、お許しあれ・・・























