『味一鉄』なるブランドの鉄製のフライパンを買った。
焼き物は強火に限る。だから夏場の焼き物は美味しく出来ない。
ストーブの季節ならロッジのスキレット、及源(南部鉄)のフライパンの出番。ストーブトップや炉内の火力で一気に焼上げてくれる。IHでもスキレットは使うが、重くて気軽には使えない。
しょうがないので一般家庭普及率95%以上のテフロン加工のフライパンにお世話になっているが、強火に滅法弱い。構造上の問題もあるのだろうが、IHとの相性もいいとは思えない。
パン底がリング状に加熱されるがその他の部分との温度差がかなりある様に感じる。
ストーブの圧倒的な火力とIHでは比較にはならないのだが、野菜も水分が出過ぎるのだ。チキンソテーも皮がカリッと焼けない。
『味一鉄』。名前からしてやるなと思わせる。いわゆる取手も加熱される昔からのシンプルな厚底3mmの鉄製のフライパン。
当然ながらIH用とは書いていない。でも鉄製だから使えるはずと聞いてみると、錆防止用のオイルを焼き切る『空焼き』の儀式がIHでは不可能との事であった。
そうなのだ。鉄のフライパンは『空焼き』の儀式の後もメンテをしっかりやって初めてテフロンにも負けないツルツル肌に育つのだ。
やってやろうではないか。息子の『たまごっち』は直ぐに死んでしまったが『味一鉄』
は育て上げてみせよう。
コールマンのアンデレッドのツーバーナーを引張り出し、早速『空焼き』の儀式を行った。
20数年前の『コールマン』は『エネオス』のホワイトガソリンを吸込み、機嫌よくゴーゴーと燃焼し、たちまち『味一鉄』からは錆防止オイルが焼ける白煙が沸立って空焼きは約15分位で終了。
焼けたオイルカスをたわしでこそげ落とし、食用油を塗って初日の『儀式』は終了。
はやる気持ちを押さえつつ、まずは炒め物を中心に育成中。
とりあえず焼き飯、焼きそばがくっかなければ完成。
焼きビーフンを最終目標に設定し、しゅくしゅくと『味一鉄』に油を馴染ませる初秋の日々。