かつてのオーディオブームは30数年前。当時新聞配達少年だった愚輩が、頑張って買えたのが、『SONY』のでっかいラジカセとレコードプレーヤーだけ。
『XYZ(ジーゼット)』ラジカセに初のドルビーシステムを採用した人気シリーズ『ジルバップ』の後継機種。
1979年発売。
当時は今のオーディオ事情とは全く違い、それはそれは魅力的な商品があふれていました。
大人になって家を建てたら、オーディオを買い揃えて、大音量で『ミルトジャクソン』を聞いてみたいと思っていた事を思い出します。
そんな思いも忘れ去られ、あくせく働いて二十数年。
程々の家のリビングは、実家でほこりをかぶっていたオーディオ器機が長い歳月の末、ようやく日の目を見るはずでした。
しかし年月は、オーディオのありとあらゆるパーツをむしばみ、大半は既に瀕死の重症を負っていました。
何とか製造メーカーに持ち込みましたが、部品の保管期限もとうに過ぎ、修理不可能の御達し。
アンプは回路の故障で電気が通じず、ブレーヤーはふわふわ回って一定のスピードが維持できず、CDプレーヤーに至っては、記録形式が変わっておりデータ読み取りすら不可。
辛うじて生き残っていたのが『ダイヤトーン』のスリーウェースピーカー、『SONY』のカセットデッキだけ。
あぁ無情。

まあ程々の家には程々なオーディオが有ればいいか。