九重はログハウスメーカーが作る日本家屋をコンセプトに設計した、出来合いハウスです。


一般の自由設計とは異なり、基本構造は完結しているのでユーザーは間取りの一部を変更するだけ。こだわりはその程度しか反映できません。






しかしそのわずかなこだわりを、私は何故か照明にとことん反映させました。


今TVで『ALWAYS 三丁目の夕日』を放映しておりますが、まさしくこの時代。古き良き昭和のイメージがこの九重とかぶってしまったのです。




碍子引き。昭和40年頃には既にすたれつつあった、屋内配線方法です。最近のトロブームで昭和をイメージした喫茶店などではこの碍子引きの内装で見る機会もありますが、たいていは『なんちゃって碍子』、外見だけ電気は通っていないのがほとんどです。




今では本物の碍子引きができるどころか、見たことも触ったこともない業者がほとんどです。


しかしながら担当していただいた業者の方は若い方でしたが、運よく碍子引きの経験があるとの事で、比較的スムーズに実現の運びとなりました。






碍子引きは普段目にすることのない配線を思いっきり外に出してしまうので配線業者さんのセンスが重要。いわば配線業者さんの作品と言っても過言ではありません。








ふだんは裏方さんに徹して決して表舞台に出ない業者さんの作品の一部です。






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碍子引きスタートのスイッチボックス。手作りです。本当は配電盤からスタートしたかったのですが、あまりにも距離が長くなってしまうため、断念しまた。リビングの入り口を碍子引きのスタート地点にし、照明のスイッチもは壁つけプルスイッチです。昔ありましたよね。






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碍子引きの醍醐味、配線の分岐点。配線がクロスするところは碍管を通すのが基本。


丸いのがノップ碍子、天井付けはクリート碍子。いまでも新品を作っている業者はいますが、ほとんどオークションで入手しました。形のばらつきがあり、趣は新品の比ではありません。






                              



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照明器具までの碍子引き。天井の梁を越える碍子引きのテクニックは業者さんのセンスで、私のアイデアの上を行き感服しました。


ちなみに照明は昭和レトロ照明を制作している後藤照明の作品。商品名を『カサブランカ』といいます。


長くなるので、今回はここまで。