Give It Away
楽器を売ったことがない。
買ったことはある。貰ったこともある。あげたこともある。売ったことだけがない。何故なら損した気分になるからだ。あ、壊れた楽器を捨てたことはある。南無。
売ると楽器であれ何であれ「中古品」になる。すると私が買った時の値段より安く売られる。その時にキズなんか発見された場合にはもう半額どころか7割引きくらいの価値として売られたりする。
以上はどこを取っても至極当たり前の事であり、そりゃアンタどうしようもないよ文句あるなら売るなうるな神棚にでも飾っときやという話だが、私が気にするのはそんな事ではない。
私は買う人が中古品に中古価格相応の価値しか認めないと信じている
これだ。だってこれキズモノっしょ、とか箱と取説ねーもの、とか言って私の愛したスパイ、もとい楽器をつべたく扱うに違いないのだ。動作や音にキズは全く関係ないのに。取説など読みゃしないどころか手に取ったとこに電話がかかってきた日にはあっという間にわずかなスペースをメモ帳にするだけのクセに。「つぼ八、18:30、ノミホ」とか。なあにが「ノミホ」か。ドアホ。ゾマホン。コードレスホン。そんなんするなら返せ。俺の楽器返せ。
ベナンの彼や電話機の話だったか。違うな。ええと、まあそんな風に感情的になってしまうが故、なんだか楽器は売りたくないのである。と、ここで似たトコあるよなないような話がふと浮かんだ。ので突然ですが問題。
この択一問題においてどれがメジャーな答えなのかは知らないが、どうやら私は迷いなく3)を選ぶような人間であるらしい。そして古来よりこの種の人間が脳に常備している心情を三文字で表す言葉がある。ものっすごいケンカ別れをした彼女。久々に街で彼女を見かけるとその隣には誰か知らんが優しそうな男性。ここで胸の奥から湧き上がる感情は次の3つのうちどれか。
1)祝福
2)感傷
3)嫉妬
独占欲
おお何ということか。私が楽器を売りたがらないこの心、ドク占欲にドクされたドク立独歩とは程遠いドク白でしかなかったとは。ああドクドク脈打つ薄汚いドクされ外道なこの心根。この大馬鹿野郎トンマ野郎死ね死ねしんでしまえ。
おおい「ドク」ター。彼にドク薬、じゃなかった鎮静剤をっ。
よし落ち着いたので続ける。かように独占欲のプールでヒタヒタになった私の脳は現在使っていないギターやエフェクターやケーブルを手放すことを拒否するのであり、私の部屋は10年かけて買いためた楽器がわんさかだ。そして実は我が脳が売ることを拒否するのは楽器だけではない。なんせヒタヒタだから。
今私が「ゲーム」と言った時それは全てX-BOX360及びそのソフトを指す。なんとなれば私はパソコンは持っていてもテレビを持っておらず、現状でパソコンのモニターにつながるゲーム機はこれしかないからだ。しかしゲーム機は他にも持っている。もう何年も触ってないけども。
売っちゃえばいいのではないか
いやしかしいつの日にか薄っぺらくてチデジとかプラズマとかフルエッチデーとかのたまうテレビを家に招き入れる事もあるやもしれぬ。その時こそ眠っているゲーム機を叩き起こし青いハリネズミを走らせたりデカい剣を持った金髪に星を救わせたりできるではないか。今は無理でも。
売れない。これは売れない。売ってしまえばこいつらは二束三文で場当たりに暇つぶしに貧乏学生が買い叩くお買い得ジャンク品(動作確認しました!)になってしまうのであり、汚れてるけどしゃーないかジャンクだし、ヤスモノだし、とワヤな扱いをされるに決まってる。ああもうダメ。ええい売るもんかお前なんかに。ていっ。触んな。これ。これ俺んだ。ふがー。んぎー。
そんなこんなで現在、我が家にはドリームキャストとX-BOX(初代)とプレステ2がどこにも繋がらずに放置してある。いつの日か、彼らに働き口を提供する薄っぺらいテレビがお越しになる日まで。そんな日は来ないんじゃないかというくらい遠くに感じつつ。
多分もうテレビ買っても他のゲームはあんまりやらないぞふーんだそんなのわかんないね。せめて初代X-BOXは手放せばいや断る。