ガットハロのブログ’混石’ -10ページ目

45歳の地図

突然ですが。


 恵庭に『ちゃんと』という情報誌があるのです。ローカルネタで恐縮ですが、そういうものが、あるのです。フルカラーで20ページ程度。恵庭のニュースやら賃貸物件情報やらアルバイト情報やら色々載っています。これが会社や自宅の郵便受けにお届けされてくるわけです。


 いつもなんとなーく受け取ってなんとなーく読んでいるのだが、これがどうも週刊誌かそれ以上のペースで届く。なのに見た目の体裁も記事の内容もちゃんとしてる。シャレでなくて。


 で、この『ちゃんと』、誰がどうやって出してるのか、実はいまだ知らずに読んでいる。タダ読み。いや、もともとタダなのだった。調べればすぐわかりそうなものを、まだ調べてはいない。ここまで書いて、最新の『ちゃんと』がすぐ脇にあるのにそれでもまだ調べない。さすが私。


 もしかしたら大手なのか『ちゃんと』。でっかいビルで部課もたくさんあったりするのか。「なんだこの記事は!文章のイロハ知ってるか!?」とか新入りのヨネヤマ君が課長から原稿用紙投げつけられたりして。お前の記事も楽しみにしてるぜヨネヤマ。誰か知らないが頑張れヨネヤマ。


 でもうちの会社の郵便受けになぜか毎回2部配って行くのはちょっと邪魔だと思っている。そのへんちゃんとしてください。シャレです。


 ここから『ちゃんと』とはまったく関係ない話になる。うちの会社のそばに自転車屋さんがある。またしても「ど」の付くローカル話。そこは古き良きチャリンコ屋さんで、店の中には新品を、店先では中古自転車を並べている。で最近、中古車サイドに凄い奴が入った。


 と言っても文字だけでどのくらい伝わるかわからない。私と同世代の男性ならわかるかもしれない。そんなとっても限定された層を期待しつつ、とにかく書いてみる。


 子供用の自転車。ハンドルが曲がりの弱いアメリカンのバイクみたいな形をしている。後輪の左側には折り畳み式のカゴがついている。5段変速。そして。そしてだ。変速機がサドルの真正面にあって、形があの、オートマ車のシフトレバーみたくなってる。そういう奴。


価格は驚きの¥2,800!


 うわ、欲しー!というか、小学校の頃、この自転車すっごい欲しかった!あの型は当時、私の近辺では基本的に人気のある子が乗る型だったのだ。


 人気がある子とは。例えば野球だとピッチャーやるとか。駅の名前や国旗にすごい詳しいとか。ミニ四駆めっちゃ速く走らせるとか。ビックリマンのヘッドいっぱい持ってるとか。聖闘士聖矢の黄金伝説完結編で最強パスワード知ってるとか。『ししししし しめめぜ』なんたら。


 なんだかすごい勢いで人気ある子のイメージが偏っていき、思い出の輝きが色あせてきたが、とにかく人気のある子はあの型の自転車に乗っていた。ハンドルにプレスリーのソデみたくビラビラしたのとか、スポークに蛍光色の輪っかとか付けてドレスアップもしていた。走るとヒラヒラカラカラうるさかった。


 …えーと。書くほどに自分がとてもダサい物を紹介してる気になってきて、どんどん自転車を見つけたときの「欲しいー!」な情熱が萎えてゆくのを感じる。悪い意味で納得のお値段な気もしてきた。むしろちょっと高いんじゃね?でもまだ欲しい。かなり欲しい。


 ああどうしよう。欲しい。ほしいよう。でもどう考えてもおかしい。私が今乗るとおかしい。だから安いのだ。そうともわかってるさ。でも乗りたい。ああああどうしよう。


 と思って過ごした3日ののち。かの自転車は店頭から消えていた。売れたのかなあ。捨てられたのかなあ。まあ、買おうか買うまいか悩まず済むようになってよかった、と思うしか、今さら私にできることもないのだが。


 ああ、花火のように現れて夕日のように消えていった我が(違うよね)青春のチャリンコよ、今いずこ(まだ欲しいんかい)。