日本人は、豆腐を1年間に77丁ほど食べている!

大豆は、昔から良質なたんぱく源として知られ、最近では、健康管理に有効な数々の特効成分を含むことでも話題になっています。ガン予防の分野でも、フラボノイドの一種の「イソフラボン」という成分のガン予防効果が注目されています。

【大豆イソフラボンが乳ガン、前立腺ガン、大腸ガンなどを予防する】

豆腐などの大豆製品を多く摂取している人は乳ガンや前立腺ガンになる率が低いことが、多くの疫学的調査から示されています。


さらに、動物発ガン実験の研究で、大豆に含まれるゲニステインというイソフラボンが、乳ガンや前立腺ガンや大腸ガンの発生を予防する効果が報告されています。


イソフラボンは、、大豆のえぐ味を生み出す原因物質として以前から知られていましたが、抗酸化作用や抗腫瘍効果を示すことが明らかになり、大豆のガン予防効果の主な活性成分と考えられるようになりました。


大豆イソフラボンには、エストロゲン(女性ホルモン)と似た働きや、骨からカルシウムの溶出を抑え骨粗しょう症を予防したり、コレステロールを下げる効果や高血圧予防などの効果もあります。


ゲニステインには弱いエストロゲン活性がありますが、動物実験では抗エストロゲン活性(体内のエストロゲンの活性を抑える作用)を示します。みそや豆腐などの大豆製品をたくさん摂取すると血中エストロゲン濃度が減少することも報告されています。このようなエストロゲンに対する影響が乳ガンや前立腺ガンの予防効果と関連している可能性が指摘されています。


大豆イソフラボンには、ガン細胞の増殖を促進するのに必要な種々の細胞内蛋白質に働きかけて、抗腫瘍効果を示すことも報告されています。ガン組織が大きくなるためには、回りに毛細血管をはりめぐらして酸素や栄養成分を吸収しなければなりませんが、大豆イソフラボンにはこの毛細血管の増殖を防ぐ血管新生阻害作用も報告されています。

【大豆製品はガン治療後の予後を改善する】

大豆製品の摂取量が多いとガン治療後の予後(生存期間)が良好であることも報告されています。例えば、877症例の胃ガンの手術後の生存率と食生活の関連を検討した愛知がんセンターからの報告によると


豆腐を週に3回以上食べていると、再発などによるガン死の危険率が0.65に減ることが報告されています。


ちなみに、生野菜を週3回以上摂取している場合の危険率は0.74に、


喫煙していると2.53になることが報告されています。


Effects of dietary, drinking, and smoking habits on the prognosis of gastric cancer.
(Huang XE, Tajima K, Hamajima N, Kodera Y, Yamamura Y, Xiang J, Tominaga S, Tokudome S.) Nutr Cancer 2000;38(1):30-36