負けていてのパス回しは試合としてはつまらん。柔道のポイント柔道、レスリング柔道で外国勢にメダルを取られたときに感じたような憤りだった。

 

 ただ、サッカーではポーランドは世界ランク8位だ。サッカー大国の自負のある南米やヨーロッパのコメンテーターが日本の消極さを批判するのは、レスリング柔道を見た「なぜ一本狙わん?!」という思いのかられるが、相手国の選手は生まれたときから柔道のある日本に対して、成長してから数あるスポーツの中で柔道を選んで、選手権やオリンピックで勝ちあがるために練習をしているのだ。今回はそれが逆だったんだな。

 

 プロサッカーが根付くまでに時間のかかった日本はランキングからしてもサッカーの後進国だ。ポイントで勝っているならあの戦術しかないのだ。

 

 

 

 

 先の大戦で沖縄が戦場となった時、日本陸軍第32軍参謀八原博通大佐がとった戦術を当時の日本陸軍や大本営が理解をしなかったようなコメントが今回、賛否両論と言う形で巻き起こった。

 

 八原大佐はゲリラ戦でアメリカ軍を沖縄に足止めし、勝っているアメリカがこれ以上の流血を避けるために厭戦気分が高じて講和になびくことを狙っていた。アメリカ軍の上陸時に水際作戦で砲撃をしても、制空権を握られていて、大砲、野砲を撃破されることを硫黄島の戦訓から得て、持久戦に持っていた。大本営は全く理解せず、沖縄の陸軍第32軍5月3日夜半から各連隊は攻撃準備を整え、4日黎明をもって攻撃を開始し、壊滅した。そこからがジェノサイド、良く語られる武器弾薬のない中、日本軍が敗走を続けることになる。

 八原大佐はあの総攻撃が無ければ沖縄戦は一方的なにならなかったであろうと回顧しており、(もし第九師団が引き抜かれず、自分が想定したような徹底した持久戦をおこなっておれば、終戦の日まで首里で持ちこたえることが可能で牛島司令官も死なずに済んだのではないか)。

 

 西野監督はいわゆる八原の持久戦、負けて実を取る戦いを選択した。これを「もっとガンガン行ってほしいかった」と言うのは大本営と同じ発想なんだな。戦争とサッカーを比較するのは不謹慎かと言われるが、あの試合自体単独では評価できないが、決勝トーナメントに出るにはあの作戦なんだわ。総攻撃を仕掛けて失点したら「負けたけど良く戦った」だったのだろうか。

 

 ベルギー戦は昌子源ちゃんがいよいよ本領を発揮するだろうな。ベルギーの攻撃は源ちゃんが出ればかなり抑えれると思うぜ。