昔、上司から、「かみさんが春日というのが気持ち悪いと言ってテレビを変える(チャンネルを変える)んだわ」という話を聞いたことがあった。

 

 すでに俺はネット社会の人間であったので地上波のテレビなどは見ていない時代であり、オードリーというコンビも知らなければ春日がどういう人物かも知らず、適当に相槌を打っていた覚えがある。

 

 その後、オードリー若林がすごいという情報をネットで引っ掛けて、春日という芸人を知った。

 ピンク色のベストを着た、七三分けの髪型の、ちょっとくぐもった声でしゃべることがある男性芸人であった。

 

 なんとなく既視感があったような気がしたが、先日炎上したとんねるずの特番を見て腑に落ちた。

 

 オードリー春日の七三分け、くぐもった声での話し方は例の石橋貴明のキャラと被る。

 頬がピンクではなくベストがピンクだ。ベストを着て襟付きシャツを着るのはなんとなく「両家の子女」という雰囲気を醸し出す。いわゆる件のキャラ設定と被るところがあるのだ。

 トゥースっていう決め台詞があるのだが、それ以上に見た目の部分で上司の奥さんは「気持ち悪い」と感じたのであろう。

 

 オードリー春日は青髭ではないし、その後肉体改造で筋肉質のボディを強調し、冒険少年なる番組で「あばれるくん」さんと競い合うのだった。無人島ではピンクのベストは着ておらず、襟付きシャツでもない、海に潜り髪がボサボサで、イメージされたオードリー春日像は全くない状態であった。

 そこでようやく七三分け、ピンクのベストの意味が分かったような気がする。両家の子女という設定を無言のうちに醸し出していたのであろう。

 

 しかし、とんねるず批判から飛び火して、バカ殿さまの視聴率低迷、ドリフのバカ兄弟が「ゆかいな兄弟」に改題されていたとか、だいじょうぶだぁの「お花坊」のコントは母子家庭、知的障碍児をバカにしているという批判で作られなくなったなどと、コントに制約がかなりできているのだと知った。

 

 今後は面白い物はどんどんなくなっていくんだろうな。最後は話芸の落語しか残らないかもな。頭をはたく突っ込みが暴力的だとか規制がかかり始めれば何もできなくなる。

 

 まあ、クレーマーを増長させるマスコミってやつの大衆操作がうざいってことだな。