1年半前から、歯列矯正を続けている。

 

幼いころから、歯並びが悪かった。

 

斜めを向いたり、前に飛び出ていたり。

かみ合わせが深すぎて下の歯が見えず、笑うと上の歯茎が見えて気持ち悪かった。

左右のバランスもおかしく、骨格そのものが歪んでいたみたいだ。

 

家にはお金がなく、歯列矯正という選択肢すら知らず育ったが、

子どもながらに、なんとか形を整えようと、指でグイグイやっていたのを覚えている。

 

それでも、学生時代は、基本的にぼっちだったため、

歯並びのコンプレックスについて言ってくる人はあまりなかった。

 

辛い事件が起こったのは、社会人になってから。

大学を卒業したあと、数年ほど、集団指導塾で塾の講師をしていたが、

中学生を教えていたところ、元気な男の子生徒から、みんなの前でニキビと歯並びについてからかわれた。

 

その場はなんとか笑って取り繕ったが、

あとから涙がとまらなかった。

 

その男の子は、根はやさしい子だったので、

後日、謝りの手紙をくれた。

なので、その男の子のことを恨んではいない。

ただ、やっぱり、自分のコンプレックスについて、

みんなの前で言われるのはつらかった。

 

色々あり、塾講師の仕事を辞め、

不規則な生活から顔中にできていたニキビは、全部なくなった。

 

ただ、ガチャガチャの歯並びは、努力でも治せなかった。

 

私は、転職してからも、人の前では、

口元を隠して笑うようになった。

自分の笑顔に、自信を持てなかったからだ。

自分の笑顔が、とにかく気持ち悪かった。

 

結婚後数年たち、お金の余裕もある程度出てきたので、

30代からでは遅いかもしれないとは思ったが、

みんながマスクをつけているコロナ禍が良い機会だと思い、歯列矯正を始めてみた。

 

 

先生は、できないことはできないとキッパリ言うが、

説明が丁寧で、患者に寄り添ってくれる良い先生だ。

 

毎月の調整は痛みもあるが、

歯が動いている、一列に並んでいる。

そのことに、大げさだけど、ジーンときてしまう自分がいる。

少しずつ、ひとつひとつ、歯並びが良くなっている実感があって、うれしい。

 

私は、生まれつき、人よりも多くのものは与えられなかったかもしれない。

でも、その分、後天的に、自分の努力で、底上げできる部分がたくさんあるってこと。

90点から100点を目指す努力、100点を維持する努力はきついけど、

20点や30点から60点を目指す努力は、楽しい。

そう思って、頑張っている。

 

歯磨きは面倒くさいけど。

ウォーターフロス→歯ブラシ→タフトブラシ→フロス→洗口液

の順番にも、慣れてきた。

 

あと半年くらいでワイヤーは外れるのかな。

そしたら、マウスピースの保定期間に入る。

未来の自分のためにも、もう少し、がんばろう。

 

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