「異常歩行」
①船乗り歩行:両側の歩隔を広くして歩く。骨盤や肩が上下に大きく動揺する歩行であり、腰椎の前弯が強い時にも起こる。
②スイング歩行:中殿筋の収縮をわざと妨げることによって、骨盤を左右に大きく降下させ、臀部を大きく振る。いわゆるムーンウォーク歩行。
③行進歩行:ゆっくりとした行列で行進するように、歩行率は低く、歩行周期時間の長い延長である。短脚支持期が長く、遊脚側の足底は地面の近くを通る。この歩行では、完全なバランスが保たれていることが必要である。
④気取り歩行:踵接地の代わりに、足底全体で接地する。歩幅は短く、足早に歩く。
⑤前かがみ歩行:肩をすぼめ、腰を過伸展して、膝を屈曲させた姿勢となり、短い歩幅でゆっくりと歩く。
⑥疲労歩行:前かがみ歩行に似ているが、股と膝を屈曲し、重心を低くして歩く。足の運びはゆっくりとして、同時定着時期が低下している。
「異常歩行の観察」
【一般的な所見】
①運動の左右対称性
②運動の滑らか
③腕の振り
④身体の上下運動
【特殊所見】
①頭部の位置
②肩の位置
③骨盤の傾き
④股関節の屈伸、内外転、内外旋
⑤足関節の動き
⑥膝関節の安定性、屈伸の程度
⑦踵接地、立脚中期、爪先離地における足の状態
「中枢神経疾患による異常歩行」
①痙性歩行:歩行時に患側上肢の振りがなく、下肢を外転して踏み出し、足の運動軌跡は、円弧上になる(草刈り歩行)。患側の立脚相は短縮し、健側は延長する。また、立脚中期には、患側が反張膝になりやすい。
②パーキンソン歩行:前屈姿勢で、歩幅が短く、足底を地面に擦るような小刻み歩行である。腕の振りは消失する。静止立位から1歩目の振り出しも困難であり、両側が地面に貼りついたかのようになる(すくみ現象)。メトロノームによる聴覚的なリズム、横断歩行や階段のような視覚的なシズムがあると、すくみ現象は消失して、普通に歩ける。また、前傾姿勢で歩き始めると、次第に歩幅が狭くなり、足の運びも速くなる。
③運動失調性歩行:運動失調は病変部位によって、脊髄性、小脳性、前庭性に分けられ、それぞれが特徴的な異常歩行パターンを呈する。小脳性運動失調では、患者は身体の動揺が大きく、歩幅を広くした不安定な歩容を呈する歩行は遅い。脊髄性運動失調では、深部感覚障害のため、患者は下肢の肢位や運動の情報を利用できない。視覚に頼って足元を見つめ、遊脚相には足を高く上げ、踵接地に続いて足底を地面に叩きつけるようにして立脚相に移行する。
①船乗り歩行:両側の歩隔を広くして歩く。骨盤や肩が上下に大きく動揺する歩行であり、腰椎の前弯が強い時にも起こる。
②スイング歩行:中殿筋の収縮をわざと妨げることによって、骨盤を左右に大きく降下させ、臀部を大きく振る。いわゆるムーンウォーク歩行。
③行進歩行:ゆっくりとした行列で行進するように、歩行率は低く、歩行周期時間の長い延長である。短脚支持期が長く、遊脚側の足底は地面の近くを通る。この歩行では、完全なバランスが保たれていることが必要である。
④気取り歩行:踵接地の代わりに、足底全体で接地する。歩幅は短く、足早に歩く。
⑤前かがみ歩行:肩をすぼめ、腰を過伸展して、膝を屈曲させた姿勢となり、短い歩幅でゆっくりと歩く。
⑥疲労歩行:前かがみ歩行に似ているが、股と膝を屈曲し、重心を低くして歩く。足の運びはゆっくりとして、同時定着時期が低下している。
「異常歩行の観察」
【一般的な所見】
①運動の左右対称性
②運動の滑らか
③腕の振り
④身体の上下運動
【特殊所見】
①頭部の位置
②肩の位置
③骨盤の傾き
④股関節の屈伸、内外転、内外旋
⑤足関節の動き
⑥膝関節の安定性、屈伸の程度
⑦踵接地、立脚中期、爪先離地における足の状態
「中枢神経疾患による異常歩行」
①痙性歩行:歩行時に患側上肢の振りがなく、下肢を外転して踏み出し、足の運動軌跡は、円弧上になる(草刈り歩行)。患側の立脚相は短縮し、健側は延長する。また、立脚中期には、患側が反張膝になりやすい。
②パーキンソン歩行:前屈姿勢で、歩幅が短く、足底を地面に擦るような小刻み歩行である。腕の振りは消失する。静止立位から1歩目の振り出しも困難であり、両側が地面に貼りついたかのようになる(すくみ現象)。メトロノームによる聴覚的なリズム、横断歩行や階段のような視覚的なシズムがあると、すくみ現象は消失して、普通に歩ける。また、前傾姿勢で歩き始めると、次第に歩幅が狭くなり、足の運びも速くなる。
③運動失調性歩行:運動失調は病変部位によって、脊髄性、小脳性、前庭性に分けられ、それぞれが特徴的な異常歩行パターンを呈する。小脳性運動失調では、患者は身体の動揺が大きく、歩幅を広くした不安定な歩容を呈する歩行は遅い。脊髄性運動失調では、深部感覚障害のため、患者は下肢の肢位や運動の情報を利用できない。視覚に頼って足元を見つめ、遊脚相には足を高く上げ、踵接地に続いて足底を地面に叩きつけるようにして立脚相に移行する。