東京大学工学部の辺りにある広場には多くの人が集まっていた。

時間になった。一斉に紙が張り出される。

喜んで両手を上げる者、泣き崩れる者。

その反応は天国と地獄のように雲泥の差がある。

そう1997年の3月の東京大学の合格発表の日なのだ。

「ザッザッザッザッ」

多くの革靴の引きずる音がして合格発表を見に来ていた何人かは振り返って目を丸くした。

そして「彼ら」の道を開けた。

「彼ら」は俗に言う黒い特攻服を着ていた。そして赤字で「紅蓮斗」と書いた大きな旗を風になびかせていた。

合格発表を見に来た人からは小声がする。

「どうして暴走族が?」

「嫌がらせかしら?」

そして、一番前にいる髪を赤く染めたオールバックの男が、合格者の書いた掲示版に近づいた。

そして、ボソッと呟いた。

「あった。」

すると、50人はいるだろうか「彼ら」が堰を切ったように「ワッ」と声を上げた。

「おめでとうございます!総長!」

「やりましたね!」

大柄の金髪の男が叫んだ!

「静かにしねえか!!いくらめでたくても総長が静かにするのがついてくる条件だと言っただろが!!」

その一言で大分静かになったものの、まだ「彼ら」はざわついている。

そして、赤髪のオールバックの総長が振り返った。

そして、応援団も驚愕する通るで。

「本日をもって紅蓮斗(ぐれんと)は解散する!俺は一学生として学業に邁進する!以上!」


そう。それは暴走族から東京大学に入学したある男の物語。