振り返ればゴアゴア『脳しんとうのままで』 | GORE GORE GIRLS

GORE GORE GIRLS

西山雅之の演劇ユニット「GORE GORE GIRLS(
ゴアゴアガールズ)」。
皆様に笑いと感動と川柳をお届けにあがりました。

ゴアゴアは本公演の他に番外公演もやってます。ゴアゴアはずっと劇場で公演をうってるんですけど劇場以外でやる公演と再演を番外公演扱いにしてます。劇場でやらない公演ってなんだよと思うかもしれませんが、よくあるカフェとかのスペースを使ってやる公演やアトリエとかを使ってやる小規模な公演のこと。ゴアゴアでは番外公演のことを「GORE GORE GIRLS collection」と呼んでます。「で?」って感じですよね。

 

何が違うかっていうとまず小屋の値段が違う。安く公演が打てる。それとカフェとかでやると大掛かりなことができないってこと。セットも組めないし、照明も吊れない、客席も限定されるなどなど。まあ別にどこでやろうと面白きゃいいんだけど、ゴアゴアは一応劇場にこだわってやってきました。まあわかりにくく言うと、バンドが地上のライブハウスでやるか地下のライブハウスでやるかみたいな感じですね。やっぱバンドは地下でやってほしいですもんね。

 

ゴアゴアの芝居を観たことがある人はわかると思うけど、正直ゴアゴアは劇場でやらなくてもいい芝居で。それはセットもあんまり組まないし、ぶっちゃけ公園とかでやっても成立する。スペースさえあればできる。でもやっぱり劇場が好きであのテイストの芝居を劇場でやるのがクールだと思ってやってるんですよ。ライブハウスは地下じゃなきゃという勝手な思い込みで。

 

 

 

この『脳しんとうのままで』。初めてのアトリエ公演。王子小劇場のいわゆる稽古場として使ってる小さいスペースがあいてるというのでここでやらせてもらった。ただのスペースに客席を作って。たぶん30人ちょっとしか入れない感じ。役者も5人の芝居でした。会社を追い出された先輩をそれを慕ってた後輩が引き戻しに来ると、先輩はプロのボランティアになって15分に一回公園の掃除をする人になってたっていう話。

毎度あらすじを書くたびによくこれで人が見に来てくれるもんだと思うけども。

 

 

でもこういう音も明かりも助けてくれるものがない舞台こそゴアゴアの真骨頂。いいのか悪いのかクオリティ的(ゴアゴアの)にはかなり高かったと思う。何をみせられてるのかわからないまま日常から非日常へズラしていくゴアゴアの得意のスタイルがまあまあキマった。ような。

 

普段の公演ではできないことをやろうと思って、劇中でダメージをくらったJPが袖にゆっくりはけていくシーンがあったんだけど、それを5分以上かけてみせようとした。ただ人が苦しみながらはけていくのを5分見るのは正直つらい。ただ2分を超えたあたりからなんか面白くなってきて「これなんなんだよ!」ってなってくる。大変なのはお客さんもそうだけど、そのシーンに出ている役者。ただそれを見ているだけ。もう感情も何もない。ただ思うことは「早く消えてくれ」という。で、実際ゲネ(リハーサル)までそれでやってたんだけど、ゲネに王子小劇場の職員さんがみにきてて、そのシーンを見たときにかなり動揺してて。それは「もしかしてあの役者具合が悪くなってるんじゃないのか。止めるべきなんじゃないのか」という思いからで。自分は自分の面白さを突き詰めるあまり、見た人が「もしかしてこれ事故なんじゃ?」と思うところまで頭がいかなかった。確かに初めてみて5分もかけて苦しみながら数センチづつはけていく人間をみたら「止めたほうがいいんじゃないか」と思うのかもしれない。JPはやりたがっていたけど、そのシーンはカットしました。まあ今なら近いやり方で事故っぽくなく見せられるかもしれないけど、この時はできなかったなー。

 

 

ゴミ袋を使って闘ってるシーン。ボランティアのたたかい。

 

 

ビニール袋を使って会話ができるように覚醒した井田雄太。それをうける大城。この芝居にはホントいろんなアイデアを詰め込んだ。このあと全員ビニール袋をかぶって同時にセリフをいって何も聞こえないとか、今思うとどういう稽古をしてたんだろうと疑問に思う。あまり覚えてはいないけど、ビニール袋をとったJPのメガネがいつも曇ってて「そういうあざとい笑いはいらないからメガネ曇らせないでくれ」って言ったのも覚えてないんだけど、いまだにそのことを根にもつJPから言われる。ひどいっすよって。

 

【脳しんとうのままで お客様のお声一部抜粋】

https://stage.corich.jp/stage/65130

 

この公演は音響も照明も舞台監督もたてなかったんだけど、みんな手伝いに来てくれてうれしかったことだけはちゃんと覚えてる。スタッフは制作・受付の可徳梨沙だけ。

 

 

ゴアゴアに来てくれる人はなんとなく顔だけ知ってるかもしれない。彼女はずっとゴアゴアの受付にいてくれてて本当に助けられてます。ゴアゴアの公演にお越しの際は受付に必ず彼女がいますので、ぜひ声をかけてあげてください。「リサちゃん、大変だね。西山と一緒じゃ。」って。

 

 

そしてこの公演は、王子小劇場と相談して決めた「王子3回」の一発目。ただ王子で3本連続で公演を打つということなんだけど、これに縛られたおかげでこの後かなり苦戦することに。

 

 

 

 

GORE GORE GIRLS collection 1

『脳しんとうのままで』

作・演出 西山雅之

2015年6月11日~14日

@王子スタジオ

 

【キャスト】

柴田順平

杉浦雄介

吉原麻貴

井田雄太

大城麻衣子

 

【スタッフ】

宣伝美術:佐藤政住

制作:可徳梨沙

 

この公演くらいから本番は髪形をきちんとキめるということができなくなった。余裕がなくなってきたんですね。お客様に失礼にあたらないように髪形だけはキメてきてたのに。最近コレクションやってないから久しぶりにやろうかな。しっかり髪形だけはキメて。