振り返ればゴアゴア⑧『バカの瞳はもれなく綺麗』 | GORE GORE GIRLS

GORE GORE GIRLS

西山雅之の演劇ユニット「GORE GORE GIRLS(
ゴアゴアガールズ)」。
皆様に笑いと感動と川柳をお届けにあがりました。

ゴアゴアの8回目は再び北池袋新生館シアター。これは「グルーブシアター」という一応新生館主催のイベントで劇場が選んだ4団体がまとめて公演を打つみたいな企画だった。2013年の夏。このころはまだゴアゴアも年に3本とか芝居を作ってた。一人できりもりするにはかなりヤバいペース。

 

 

確かにこの公演はかなり台本が遅れて、公演中止ギリギリまでいった。まあゴアゴアいつもそうじゃんて言われるかもしれないけど、同じ状況なんて一つもない。伝わりませんよね?いいんです。

 

今でも覚えてるけど、書いても書いても面白くならなくてかなり焦った。分量的には十分でも自分が面白いと思ってないものは出せない。ちょっと待ってちょっと待ってってかなり役者に待ってもらった。

 

舞台は石川県羽咋市。実在の町。ここはUFOの目撃情報がさかんで、UFOで町おこしをしようとしてこじれる若者を描いた。ゴアゴアではよく石川県をディスってるけど、なじみがあるから。ちょうどいいし。青森とかだといじるとシャレにならなそうだし。北関東とかだとベタすぎるし。石川県ちょうどいい。まあそこに東京でパンをねじるだけのライン工がやってきてっていう話。

 

 

今のダルダルのJPからは想像できないねじりパンのライン工としてのJP。どうしてもこのシーンが弱かったんだけど、小屋に入ってJPから話があるといわれ劇場の隅へ。

 

「脱がさせてもらえないでしょうか」

 

覚悟の決まった顔に押し切られた。まさか役作りでこんなに体を仕上げてきてるとは思わなかった。自分は安易に脱ぐのを好まないのを彼は知ってるから稽古では伝えてこなかったんだろうけど。おかげでねじりパンのライン工としての説得力が脱いだだけで増すというよくわからない感じになった。まあこの公演本番中に高熱がでてほとんど覚えてないんだけども。真夏だったのに寒すぎてずっとふるえてたのは覚えてる。

 

 

青年団がUFOを捕まえる練習の図。「自分にはねじることしかできないとパンをねじるJP。そしてこの公演で初めて二宮ユーキさんに映像をお願いした。台本が全然進まなくてYouTubeで音楽をあさってたらどんどんマニアックなバンドに。最終的に東高円寺にあるUFO CLUB(今考えたらUFOつながりか)という小さなライブハウスのアマチュアガールズバンドのライブ映像にたどりついた。なんとなく最初は見てたんだけど、なんかこれは見てるんじゃなくて見せられてることに気が付いた。映像がおかしい。曲より映像が強くて。みたことのない撮り方で臨場感がやたらある。調べたら撮影・二宮ユーキと書いてあってすぐ連絡した。ライブ映像しかとったことないけど、舞台もとってみたいのでやりますって。まあダメ元だったけど頼んでみるもんだよな。それでかなりテンションはあがった。

 

 

これが二宮さんの映像。ダイジェスト。大森靖子さんはずっとだし最近はスカパラとか撮ってるけど、当時は全然そんなこと知らなかった。最新作もお願いしたけど、あいかわらずカッコいい(演劇にかっこいいもくそもあるのかというのはおいておいて)のを撮ってくれる。自分のテンションがあがる。それが一番大事なことだとおもってる。

 

 

まあこれは再演しないだろうからネタバレだけど、実は青年団のリーダーは町おこしとして十分すぎるネタがあった。墜落したUFOから宇宙人の死体を捕まえてた。これで町は生き返るって盛り上がるんだけど、その見た目がグロすぎてみたら吐いちゃう。でもこれが俺たちの未来だから目を背けるなっていうんだけど、みんな最終的にがまんできずに吐くといういわゆるゲロ落ち。これは爆笑とドン引きと回によって分かれた。あたりまえだよな。吐きそうでちゃんとセリフがいえないという稽古を繰り返して自分は最高に笑ったけど。これも賛否がえぐかったなあ。身内にもボロカス言われたし。まあでもこういう公演を経ての今ですよね!って強引にまとめたいけど気持ちがついていきませんよね。

 

 

GORE GORE GIRLS vl.8

『バカの瞳はもれなく綺麗』

作・演出 西山雅之

2013年8月6日~11日

@北池袋新生館シアター

 

【キャスト】

久保雄司

秋山ひらめ

依田玲奈

福嶋孝幸

望月雅行

堀場美貴

柴田順平

 

【スタッフ】

舞台監督:浅見雄介

照明:山野刺太郎

音響:寺尾美季

宣伝美術:佐藤政住

制作:可徳梨沙