4カ月前職場に1匹の野良猫が来た
年齢は4~5歳位で少し痩せている。 
足も怪我して少し引きずっている。

餌をあげると一瞬で食べて帰っていく。 
それから毎晩餌をもらいに来た。
そんな生活が1カ月。

猫は来た当初より1.5倍位大きくなった。
足も完全に治っている。
今まで晩のみ来ていたが
朝昼晩3食食べにくるようになった。
たまにおやつ込みで4食食べに来る。

周りの人は何故野良猫に餌をやるのか
少し冷めた感じで僕を見ていた。
それでも毎日餌をあげ、毎週餌を買いに行った。
まぁまぁ値段はするが嫌じゃなかった。

野良猫とはいえ自分になついてくれた。
近くにいるとすり寄ってきた。
仕事の休憩中コーヒーを飲む僕の横で
餌を食べる猫の様に癒された。
そんな生活が2カ月位続いた。 
気が付くと僕以外にも周りが餌をあげていた

必ず職場のドアの前で鳴いて餌をもらう。
声が聞こえるとみんな猫を見に行く。
野良猫とはいえ3食食べて毛づやも良い。
違う野良猫が来ると威嚇して
自分の家のようにくつろぎだす。
いつの間にか番猫になっていた。

そんな猫が急に来なくなった。
雨の日も来るのにもう1週間も来ない。

もう来ないのかと思っていたとき
ドアの前で鳴き声がした。
ドアを開けると
完全に喧嘩で負けました感丸出しだった。
耳と少し顔を引っ掛かれていた。
「喧嘩するなよ」と言いながら餌をあげると
ペロリと食べ帰っていく。

だけどそれから今日まで約2週間も来なかった

約2週間ぶりにドアの前で鳴き声がした。
だけど凄い違和感があった。
声がいつもと違う
違う猫?と思いながらドアを開ける。
いつもの野良猫だが
その姿に言葉を失った。

目の周りは赤く爛れ
初めて会った時よりも痩せていた。
花粉症かと一瞬思ったが
確実に病気だと気付いた。
それと同時に長くないと悟った。

餌をあげた。だが全然食べない。
かなり弱いこえで必死に何回も鳴いていた。
自分の足にすり寄ってきた。
背中を擦ると切なくなった。
体よりも骨を触っている感覚に近かった。
仕事も忙しかったので
餌だけ置いて仕事に戻った。
それでもずっと鳴いている。
時間にして約2時間。 
鳴き声が聞こえなくなりドアを開けると
野良猫の姿はなかった。

あんなに元気だったのに…
何で急にこんなことになったんだ…

もう職場に来ないかもしれない
もう会えないかもしれない。

野良猫と過ごした4カ月。
僕にとって友達に近かった野良猫の
こんな姿を見たくなかった。

もし、また職場に来た時は
目一杯接しよう。

まだ居なくなってない。だから
体きついかもしれないけど
また職場に顔出して欲しい。

僕にとって野良猫と過ごした4カ月は
周りに笑われてもいい。
大事な思い出だから