久々に一人で映画館に足を運んだが特にお目当てもなく、何気なく選んだのが事前情報も全く無い本作。邦題からMIP
極秘捜査によって8分間の他人の意識に繰り返し何度も送り込まれる主人公。その舞台はシカゴ行きの朝の通勤電車のよくある風景。だが車内に仕掛けられた爆弾によって乗客全員(主人公が意識に入り込む教師含めて)が死亡する爆弾テロ事件の爆発8分前。もちろん潜入目的は爆弾テロ犯を見つける手がかりを探し、次のテロを防ぐのがミッションだが、何度も潜入させられるうちにやがてその8分間が主人公にとっても運命を変えうるかけがえのないチャンスと出会い、そしてある重大な意味を持つことに…。
脚本的にはSF要素と量子物理学、平行世界説を織りまぜた今時の設定だが、見せ方がとにかく巧い。随所に見られる意味深なセリフや演出のセンスの良さも秀逸。
キャスティングも素晴らしく、主役のギレンポールは『プリンスオブペルシャ』で演じた甘い二枚目役とはまるで別人で、追い詰められた極限状態の男を完璧にこなし、ヒロイン役のモナハンは繰り返される8分間の中で毎回様子が違う主人公に合わせて表情と感情を変えるという難しい役どころを完璧に演じ、且つ美しさも際立っている。
この映画を観終わって真っ先に思い浮かんだのは、先月この世を去った故スティーブ・ジョブズの有名なセリフのひとつ『もし今日が人生最後の日だとしたら…(以下略)』である。
今作の8分間の世界は、現実社会の我々が過ごている日常そのものの置き換えだと思う。
無
論、例外の自由人もいるが僕を含めてほとんどの人間にとって毎日繰り返されるルーティン・ライフ。決まった時間に目覚ましに起こされ、いつもの電車で同じ車両に乗り職場へ向かう。そんな当たり前の毎日にたまにふと疑問を持つが、変化を恐れ惰性に流されストレスも抱えながらまたいつもの日常を繰り返す。
この映画が放つメッセージは、そんな当たり前の日常の中で自分と自分に関わる人々もアクションひとつでその瞬間から『良くも悪くも変えられる』ことなんだと思う。あの時もっとこうしていれば…、あ
そんな前向きな気持ちにさせてくれた本作と出会えた喜びを胸に劇場を後にした。


