『仏果を得ず』三浦しをん
あらすじ
この作品は文楽のお話です。
文楽とは、大阪の人形浄瑠璃のことです。
ある日、健太夫はクールな三味線弾きの兎一郎と組まされることになります。健太夫は、人間国宝である銀太夫の弟子ですが、まだ自分に自信がありません。反対に相方の兎一郎は無愛想ながらも、腕の立つ三味線弾きです。
性格の違う二人が同じ「文楽」という芸の道をともに歩んでいく物語です。
私は健の文楽に対する情熱が並々ならない点が面白いと思いました。
頭の中は、文楽が中心。
「一番大事なのは、文楽」という健のちょっと異常(?)なまでの文楽への情熱は、読者を作品に引き込むポイントだと思います。
兎一郎の「長生きすればできる」という一見シンプルな言葉に隠された真意も、物語を読み進めると分かってきます。
後半で、二人の女性が健をめぐる三角関係に発展する場面でも、健は文楽に紐付けて考えるのが面白かったです。
何かに夢中になることは大変だけど楽しい、それを教えてもらいました。