先日、愛媛産業保健推進センターの研修に参加してきました。
講師は、産業保健相談員 臼井繁幸 先生です。
お話について一部をご紹介します。


人事労務管理の個別化や雇用形態の変化等に伴い、
労働関係に関する事項についての個々の労働者と事業主との間の紛争
(「個別労働紛争」といいます。)
が年々、急速に増加しています。


全国各地の都道府県労働局へ寄せられた相談は25万件。
その内訳で、「解雇(18.9%)」についで多いのが
「いじめ・嫌がらせ(15.1%)」の相談です。


企業にもたらす損失については、次の点が挙げられます。

1.企業

 生産性の低下による業績の悪化、信用の低下
 人事(懲戒処分、配置転換、休職、退職等)による訴訟のリスク
 刑事責任 民事責任

2.いじめ、パワハラ等を受けた人

 仕事への意欲や自身の喪失 心の健康の悪化

3.周囲の人

 仕事への意欲の低下 職場全体の士気の低下

4.行った人

 不利益な処分



東証一部上場企業を対象として調査でも、多くの企業が
経営上の重要な課題とみています。
(「パワーハラスメントの実態に関する調査研究」)

 82%の企業が、「経営上の重要な問題である」と回答。


~ある人事担当役員のお言葉~

「すべての社員が、家に帰れば、自慢の娘であり、息子であり
尊敬されるべきお父さんでありお母さんだ。
その人たちを職場のハラスメントなんかで、「うつ」にしたり、
苦しめたりしていいわけないだろう。」
 


今や、職場のいじめ・嫌がらせ問題、パワハラ、セクハラ問題への対応は、
損失、リスク回避にとどまらず、
職場の活力アップ、生産性の向上に向けて、積極的に取り組むべき状況と言えます。

会社の損失・リスク、また、具体的な対策については、
あらためて、ご案内をさせていただきます。

従業員(元従業員)との間で、労働管理上のトラブルになることが増えています。


本日は、労使紛争の解決のために活躍されている

特定社会保険労務士 村上宏史先生の研修会に参加しました。



村上先生は、社労士が企業・経営者側として関わるのであれば、

経営者と同じ価値観に立って業務を進めることが大切であることを

まず確認されました。


そのうえで、「企業の経営維持をベースとした労務管理」について、

「解雇」「未払い残業代」「採用」「職場のいじめ、いやがらせ」など

具体的な対応を、実例を踏まえて説明いただきました。


ほんの一例ですが、

「解雇」
労務管理上、最もリスクが大きい。
(訴えることについてのハードルが下がっていること。ネット社会。
訴訟になった場合の敗訴リスク、賃金の支払い、職場復帰、訴訟費用、
時間コスト、手間など)

「未払い残業代」
残業代を合法的に総額人件費内におさめる。

「有給休暇」
計画的付与。法定外の休暇制度の見直し(夏季、年末年始休暇など)

「採用」
履歴書チェック。
経験は実技をテスト。資格は、記入のすべてについて証明書を確認。
能力は計算試験で。年齢は住民票。経歴は年金加入記録で。など


労務管理については、社労士が専門家として、もっと活躍をしなければ
ならないと強く感じました。
先生には今後ともご指導の程よろしくお願いいたします。


育児介護休業法の短時間勤務制度については、

従業員100名以下の中小企業も含めて、

今年7月1日からは全面施行されています。


3歳未満の子を養育する労働者が希望すれば利用できる

「短時間勤務制度」を設けることが義務となりました。


短時間勤務制度とは、

1日の所定労働時間を原則として6時間とする

制度です。


1日の所定労働時間を6時間とする制度を設けたうえで、

5時間勤務や7時間勤務などもあわせて設けること、また、

隔日勤務などをあわせて設けることができます。


短縮された時間分を無給とすることには問題ありません。


短時間勤務の対象外とできる者は次のとおりです。

1.日々雇用者

2.1日の所定労働時間が6時間以下の者


労使協定により、次の労働者を対象外にできます。

1.継続勤務が1年未満の者

2.1週間の所定労働日数が2日以下の者

3.業務の性質または業務の実施体制に照らして、所定労働時間の

 短縮措置を講ずることが困難と認められる業務に従事する者


困難と認められる業務者とは、例えば、

1.労働者が少ない事業所の 従事する労働者が著しく少ない業務

2.流れ作業方式による製造業で短時間勤務者を組み込むことができない業務


業務の性質により、短時間の対象外とした場合は、

短時間勤務の代わりにつぎのいずれかの措置を講ずる義務があります。

1.育児休業に準じる措置

2.フレックスタイム制度

3.時差勤務(始業・終業時刻の繰上げ、繰り下げ)

4.保育施設の設置など


労働基準法の「育児時間」との併用は可能です。


生後1歳までの子を育てる

女性について

1日2回、それぞれ30分の育児時間が認められています。


この育児時間による短縮分も含めて、1日6時間とすることが

できます。


短時間勤務者に残業を命じることもできます。

短時間勤務制度は、1日の所定労働時間を原則6時間に短縮する制度であって、

それ以上に、残業をさせないことまでは求められていません。


残業については、

所定労働時間を超える時間外労働を免除する、別の制度があります。


この二つの制度を混同すると、

短時間勤務制度は利用したいが、残業の制限は利用するつもりがない場合や

時間の短縮は希望しないが、残業はできない場合について

会社の制度がうまく対応できなくなります。


会社、業務の実情にあわせて、就業規則、規定などの整備と

運用のルールづくりを行いましょう。