前回は売上20万円のネットショップが更なる飛躍を求めてショッピングモールに加盟するとどうなるかを見てきました。結果、その道はとても厳しいイバラの道で、あまり得策ではないとしました。今日はさらに話を進め、ショッピングモールを活用するにはどういう条件が必要か、また、活用した場合他にどんな問題が考えられるのかをお話しようと思います。
まず、「ショッピングモールを活用するにはどういう条件が必要か」を考えてみます。
前回の例で、一般的な仕入れ商材を扱っている場合、月の売上額が250万円位でトントンという話をしました。このことが、ショッピングモールを利用することの難しさだと言うことでした。しかし逆に考えると、利幅が30%以上ある場合は、採算ラインである月の売上額がもっと低くなると言うことで、ショッピングモールを利用できるのではないか、と考えられます。
たとえば利幅が80%の商品だった場合、単純に計算すると、90万円の売上があれば利幅30%の時と同じ利益を出せます。つまり、極端に利幅の高い商材を扱っている場合、短期間に採算ラインに乗る可能性があるということです。
しかし、どんなに利幅の良い商材を扱っていても、競争相手がたくさんいたのでは売れる可能性は低くなります。このような場合、必然的に利幅を下げざるを得なくなり、その結果採算ラインも高くなります。つまり、競争相手の参入障壁の高さが利幅の高い商材を販売する条件であり、参入時に考えている利幅は今後下がることはあっても上がることはないということを十分に考慮し採算ラインを設定する必要があります。
次に、どんなに利幅の良い商材で競争相手がいなくても、消費者がその商品を必要としていなければなりません。それを計る目安として「ニーズ」と「ウォンツ」を利用し考えます。(これは「神田 昌典」著の60分間・企業ダントツ化プロジェクト 顧客感情をベースにした戦略構築法 に詳しく書かれていますので、商売をされる方は是非読んでおくことをお勧めします)
ニーズは必要性、ウォンツは欲求とします。つまり、必要性がありかつ魅力的な商品が売れる商材となり、この2つを満たさないものを売るのはとても難しいと言えます。
ここまでをまとめると、以下のようになります。
1.極端に利幅の高い商材で
2.競争相手の参入障壁の高く
3.必要性がありかつ魅力的な商品
というのが、ショッピングモールを利用しても短期間に採算ラインにのる条件になります。
しかしです。このような極めて恵まれた商材を持っている場合、わざわざショッピングモールの集客に頼らなければならないでしょうか。もちろんまったくの無駄ではありませんが、それにはかなりのリスクを覚悟しなければなりません。ではそのリスクとは何でしょうか。
つづいてはそれでもモールを活用した場合他にどんな問題が考えられるのかを考えてみたいと思います。
ネットショップの主たる資産は何でしょうか。商品?ショップページ?システム?いや、すべて違います。答えは「顧客のメールアドレス」です。
ネットショップに限らずお客商売はリピート率が高ければ高いほど利益率が高くなります。言い換えると、初めてのお客を集客するのはとてもコストが掛かると言うことです。そのリピートもただ単に待っていては駄目で、何かのきっかけを与える必要があります。たとえば、ファミリーレストランの割引券。また、車のオイル交換の割引券。こういうもの使ったことありませんか?
確かに、まったく何もないところよりも以前行ったという安心感もあるし、しかも割引もある。この状態でわざわざまったく新しい店に行く人はかなり少ないでしょう。また、お店側としても、たとえ割り引いたとしても、はがき1枚、割引券1枚で来店率を上げることが出来れば、まったく新しい集客をするよりも数倍効率的なので十分に採算が合います。ネットショップも同様で、この見込み客にアプローチするために「顧客のメールアドレス」がとても重要なのです。
(実際このことを裏付ける様に、弊社の「ネットショップオーナーに対するアンケート」では、売上が高いショップほどショッピングモール自体の集客にあまり頼っていないと言う結果が出ています)
しかし、楽天の場合、この集客の要である顧客のメールアドレスを知ることが出来ません。システムに登録されていますが、見ることが出来ないのです。よって、楽天に加盟している限りシステムを使い顧客にメールを送ることは出来ますが、もし辞めた場合顧客のメールアドレスは一切知ることは出来ないのです。つまり、辞めた場合はまた1から集客をしメールアドレスを集める必要があるのです。しかも、売れれば売れるほど、加盟期間が長ければ長いほど顧客情報は貯まっていき、貯まれば貯まるほどどんなことが起こっても辞めれない状況になるのです。
(楽天加盟店の多くがこの縛りによってやめることが出来ないと言われていて、実際にいくつかの訴訟にもなっています。最近になり公正取引委員会が動き出しましたが、結果が出るのはまだまだ先のことでしょう。)
あなたが一般的な商材を売っていて特に繁盛している実店舗を持っていない場合、しばらくの間はかなりの資金と労力が必要となり、非常に恵まれた商材を持っている場合、わざわざ高コストで最も重要である顧客情報をもてないシステムを使うことは先々大きなリスクがあると分かったと思います。
ここで結論。
固定費の高く、顧客情報を得ることが出来ないショッピングモールは、ネットショップ初心者にとっても、優れた商材を持っている経験者も加入するメリットはあまりない。
ということになります。
--------------------------------------------------------------------------------
次回は「「第2話:営業マンの話よりも常識で考えよう(アフィリエイト編)」をお送りします。