第一巻『Webの国のアリス』第四話
第四話 小さすぎる本
そこもまた、ガランとした部屋だった。
誰もいない、何もない真っ白な部屋――。
しかし、わたしをここに導いた「何か」があるはずだ。アリス、そして「巨大すぎる金貨」につながる証拠はないか、辺りを見渡してみる。
何もない光景の中に、ふと何かが映った気がした。目を凝らすと、床になにやらゴミらしきものが落ちている…。近づいてよく見ると、それは四角いマッチ箱のようなものだった。
慎重に拾ってみる。と手の中で何かが動いた。
――パラリ。
それは「本」であった、信じられないことに。
いや、「巨大すぎる金貨」があるのであれば、「小さすぎる本」があってもなんら不思議ではない。サイズの狂った世界に迷い込んだわたしは、軽い目眩を感じていた。
その「小さすぎる」という要素を除けば、それは正真正銘の「本」であった。であるからには、当然読まねばならない。わたしはその場にしゃがみこみ、生涯で最高の注意を払いながら、最初の1ページを繰る、というよりも、爪で引っかいてめくってみる。本を読むのは大好きだが、おかげで今までで最高の「ドキドキ」を味わうことができた。
当然、表紙に比例して文字も小さい。目の焦点が合わずに苦労したが、なんとか識別できた。
「…SCHNEEWITTCHEN」
ドイツ語だ。どこかで聞いたことがある…。
「SCHNEEWITTCHEN、SCHNEEWITTCHEN…」
誰もいない部屋にわたしのつぶやきが広がる。
「SCHNEEWITTCHEN…白雪姫…」
そうだ。これは紛れもなくドイツ語で書かれた「白雪姫」なのだ!
「アリス」…、「巨大すぎる金貨」…、「小さすぎる白雪姫」…。
どこか共通点がありそうでもあり、また、さらに混乱をきたしそうな言葉たち。3つの単語をつぶやきながら、その「白雪姫」の本を胸のポケットにしまいこんだ。白雪姫、幼い頃、よく母にベッドで読んでもらったものだ…。このような状況でありながら、なぜか幼い頃の記憶が甦る…。そういえば、人は死ぬ間際に、昔のことを思い出すんだっけ…。
王妃は鏡に問いかける――。
「鏡よ、鏡。この国で一番美しい女性は誰?」
はっ!「鏡」…?さっきの部屋にいた2人の男は、「まるで鏡に写したように」同じスーツ、同じポーズ、同じマイクを手にしていた。そしてわたしの記憶が正しければ、王妃の問いに対して鏡はこう答えるはずだ。
「あなたはこの国では一番美しい。けれど、白雪姫はあなたの千倍も美しい!」
鏡の答えに怒り狂った王妃は、白雪姫を殺そうとする。森へ逃げ込んだ白雪姫が出会うのは…「七人のこびと」。そう、小さな小さなこびとたち…。「本当は怖い白雪姫」…。
間違いない。この小さな小さな「白雪姫」の本を読むことができるのは、こびとたちなのだ。「大きすぎる金貨」「小さすぎる本」の存在を受け入れた今、「こびと」の存在さえ素直に信じることができた。
その時――、
わたしの頭の中で「アリス」「大きすぎる金貨」「小さすぎる本」。その3つの存在全てがつながった!謎は、解けた…!
「そうか、そうだったのか!アリス…」
――次回、衝撃の展開が訪れる。
明日か明後日頃には続く。
―――――――――――――――――――
【10/7日の気になるニュース】
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041007-00000050-reu-ent
―――――――――――――――――――
・この物語は、管理人が時事ニュースにインスパイアされて綴ったフィクションです。
・貼ってあるニュースと本文の内容について、深い関係はありません。
・URLは、情報提供元が定めた期間を過ぎると削除される可能性があります。
そこもまた、ガランとした部屋だった。
誰もいない、何もない真っ白な部屋――。
しかし、わたしをここに導いた「何か」があるはずだ。アリス、そして「巨大すぎる金貨」につながる証拠はないか、辺りを見渡してみる。
何もない光景の中に、ふと何かが映った気がした。目を凝らすと、床になにやらゴミらしきものが落ちている…。近づいてよく見ると、それは四角いマッチ箱のようなものだった。
慎重に拾ってみる。と手の中で何かが動いた。
――パラリ。
それは「本」であった、信じられないことに。
いや、「巨大すぎる金貨」があるのであれば、「小さすぎる本」があってもなんら不思議ではない。サイズの狂った世界に迷い込んだわたしは、軽い目眩を感じていた。
その「小さすぎる」という要素を除けば、それは正真正銘の「本」であった。であるからには、当然読まねばならない。わたしはその場にしゃがみこみ、生涯で最高の注意を払いながら、最初の1ページを繰る、というよりも、爪で引っかいてめくってみる。本を読むのは大好きだが、おかげで今までで最高の「ドキドキ」を味わうことができた。
当然、表紙に比例して文字も小さい。目の焦点が合わずに苦労したが、なんとか識別できた。
「…SCHNEEWITTCHEN」
ドイツ語だ。どこかで聞いたことがある…。
「SCHNEEWITTCHEN、SCHNEEWITTCHEN…」
誰もいない部屋にわたしのつぶやきが広がる。
「SCHNEEWITTCHEN…白雪姫…」
そうだ。これは紛れもなくドイツ語で書かれた「白雪姫」なのだ!
「アリス」…、「巨大すぎる金貨」…、「小さすぎる白雪姫」…。
どこか共通点がありそうでもあり、また、さらに混乱をきたしそうな言葉たち。3つの単語をつぶやきながら、その「白雪姫」の本を胸のポケットにしまいこんだ。白雪姫、幼い頃、よく母にベッドで読んでもらったものだ…。このような状況でありながら、なぜか幼い頃の記憶が甦る…。そういえば、人は死ぬ間際に、昔のことを思い出すんだっけ…。
王妃は鏡に問いかける――。
「鏡よ、鏡。この国で一番美しい女性は誰?」
はっ!「鏡」…?さっきの部屋にいた2人の男は、「まるで鏡に写したように」同じスーツ、同じポーズ、同じマイクを手にしていた。そしてわたしの記憶が正しければ、王妃の問いに対して鏡はこう答えるはずだ。
「あなたはこの国では一番美しい。けれど、白雪姫はあなたの千倍も美しい!」
鏡の答えに怒り狂った王妃は、白雪姫を殺そうとする。森へ逃げ込んだ白雪姫が出会うのは…「七人のこびと」。そう、小さな小さなこびとたち…。「本当は怖い白雪姫」…。
間違いない。この小さな小さな「白雪姫」の本を読むことができるのは、こびとたちなのだ。「大きすぎる金貨」「小さすぎる本」の存在を受け入れた今、「こびと」の存在さえ素直に信じることができた。
その時――、
わたしの頭の中で「アリス」「大きすぎる金貨」「小さすぎる本」。その3つの存在全てがつながった!謎は、解けた…!
「そうか、そうだったのか!アリス…」
――次回、衝撃の展開が訪れる。
明日か明後日頃には続く。
―――――――――――――――――――
【10/7日の気になるニュース】
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041007-00000050-reu-ent
―――――――――――――――――――
・この物語は、管理人が時事ニュースにインスパイアされて綴ったフィクションです。
・貼ってあるニュースと本文の内容について、深い関係はありません。
・URLは、情報提供元が定めた期間を過ぎると削除される可能性があります。
第一巻『Webの国のアリス』第三話
第三話 鏡の国の2人の男
後頭部の鈍痛で目が覚めると、目の前にはスーツ姿の2人の男。
同じ色のスーツ、同じマイク、そして同じポーズ…。一瞬、鏡に映っているだけかと思ったが、すぐに別人だとわかった。一人は「ネクタイあり」で、もう一人は「ノーネクタイ」だ。
どうやらここは尋問部屋のようだ…。空港での襲撃、そして監禁。わたしは思いがけず危険な仕事を請け負ってしまったことに気づき、後悔しつつあった。しかしもう遅い。尋問の後に待っているのは…拷問だ。
まず、「ネクタイあり」が口をひらく。
「あのー、ここから出て行ってくれないでしょうか」
思いのほか甲高い声だ。言葉遣いは丁寧だが、ニヤケ顔が余裕を感じさせる。
依頼者の守秘義務は守らねばならない。ここは答えるわけにはいかないのだ。わたしは無言をきめこんだ。もっとも、拷問ともなれば黙秘する自信などないのであるが…。
「ノーネクタイ」が続く。
「あのさー、ここに来たのはぼくらが先でしょ。後から来ておいてそりゃないでしょ」
のっけからやけに馴れ馴れしい口調。彼らも「アリス」を探して、ウィーンに来ていたというのか?しかも、わたしより先に…?
振り向いた衝撃で後頭部に再び激痛が走り、思わず身体が動く。しかし、「ネクタイあり」と「ノーネクタイ」の目線はピクリとも動かない。どうも様子がおかしい…。さらに身体を動かしてみる。やはり2人は同じ場所を見つめている。
多少冷静さを取り戻し、2人の男をそっと観察する。「ネクタイあり」と「ノーネクタイ」は、わたしの存在に気づいていないようだった。2人は鏡のように向かい合ったまま見つめ合い、同じポーズで、討論を交わしていたのだった。そのちょうど真ん中に、わたしはいた。
2人に気づかれないように、そっとドアへ近づく。早くここから出ねば…。
相変わらず2人はお互いを見つめたまま、笑顔で、激論を交わしている。彼らの討論が聞こえてきたが、わたしにはどうでもよかった。アリスを探さなければならない。
やっとドアへたどり着いた。幸いなことに鍵はかかっていない。
身体の痛みを我慢して、思い切り外に飛び出した。
と、そこには――。
明日か明後日頃には続く。
―――――――――――――――――――
【10/7日の気になるニュース】
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041006-00000112-yom-spo
―――――――――――――――――――
・この物語は、管理人が時事ニュースにインスパイアされて綴ったフィクションです。
・貼ってあるニュースと本文の内容について、深い関係はありません。
・URLは、情報提供元が定めた期間を過ぎると削除される可能性があります。
後頭部の鈍痛で目が覚めると、目の前にはスーツ姿の2人の男。
同じ色のスーツ、同じマイク、そして同じポーズ…。一瞬、鏡に映っているだけかと思ったが、すぐに別人だとわかった。一人は「ネクタイあり」で、もう一人は「ノーネクタイ」だ。
どうやらここは尋問部屋のようだ…。空港での襲撃、そして監禁。わたしは思いがけず危険な仕事を請け負ってしまったことに気づき、後悔しつつあった。しかしもう遅い。尋問の後に待っているのは…拷問だ。
まず、「ネクタイあり」が口をひらく。
「あのー、ここから出て行ってくれないでしょうか」
思いのほか甲高い声だ。言葉遣いは丁寧だが、ニヤケ顔が余裕を感じさせる。
依頼者の守秘義務は守らねばならない。ここは答えるわけにはいかないのだ。わたしは無言をきめこんだ。もっとも、拷問ともなれば黙秘する自信などないのであるが…。
「ノーネクタイ」が続く。
「あのさー、ここに来たのはぼくらが先でしょ。後から来ておいてそりゃないでしょ」
のっけからやけに馴れ馴れしい口調。彼らも「アリス」を探して、ウィーンに来ていたというのか?しかも、わたしより先に…?
振り向いた衝撃で後頭部に再び激痛が走り、思わず身体が動く。しかし、「ネクタイあり」と「ノーネクタイ」の目線はピクリとも動かない。どうも様子がおかしい…。さらに身体を動かしてみる。やはり2人は同じ場所を見つめている。
多少冷静さを取り戻し、2人の男をそっと観察する。「ネクタイあり」と「ノーネクタイ」は、わたしの存在に気づいていないようだった。2人は鏡のように向かい合ったまま見つめ合い、同じポーズで、討論を交わしていたのだった。そのちょうど真ん中に、わたしはいた。
2人に気づかれないように、そっとドアへ近づく。早くここから出ねば…。
相変わらず2人はお互いを見つめたまま、笑顔で、激論を交わしている。彼らの討論が聞こえてきたが、わたしにはどうでもよかった。アリスを探さなければならない。
やっとドアへたどり着いた。幸いなことに鍵はかかっていない。
身体の痛みを我慢して、思い切り外に飛び出した。
と、そこには――。
明日か明後日頃には続く。
―――――――――――――――――――
【10/7日の気になるニュース】
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041006-00000112-yom-spo
―――――――――――――――――――
・この物語は、管理人が時事ニュースにインスパイアされて綴ったフィクションです。
・貼ってあるニュースと本文の内容について、深い関係はありません。
・URLは、情報提供元が定めた期間を過ぎると削除される可能性があります。
第一巻『Webの国のアリス』第二話
第二話 金髪男の襲撃
そう。あの金貨はまさしく「オーストリア金貨」。「オーストリア」にアリス失踪のヒントがあるに違いない。そして巨大すぎる金貨の謎も…。
ウィーン国際空港へ降り立ったわたしに、一人の男性が近寄ってきた。金髪ではあるが、どうやら日本人のようだ。気さくに関西弁で話しかけてくる。
「われここでなにしてんねん」
「あ、実はアリスという女性を…」
ガッ、という鈍い音が聞こえたとたん、目の前が暗くなった。
なぜだ…。アリスの名を言ったとたんに殴られるとは――。
薄れゆく意識の中でわたしは、「アリス失踪事件」と「巨大すぎる金貨」の影に潜む巨大な黒幕の存在を感じていた…。
明日か明後日頃には続く。
―――――――――――――――――――――――
【10/6日の気になるニュース】
http://sports.yahoo.co.jp/hl?c=sports&d=20041006&a=20041006-00000040-spnavi-spo
―――――――――――――――――――――――
・この物語は、管理人が時事ニュースにインスパイアされて綴ったフィクションです。
・貼ってあるニュースと本文の内容について、深い関係はありません。
・URLは、情報提供元が定めた期間を過ぎると削除される可能性があります
そう。あの金貨はまさしく「オーストリア金貨」。「オーストリア」にアリス失踪のヒントがあるに違いない。そして巨大すぎる金貨の謎も…。
ウィーン国際空港へ降り立ったわたしに、一人の男性が近寄ってきた。金髪ではあるが、どうやら日本人のようだ。気さくに関西弁で話しかけてくる。
「われここでなにしてんねん」
「あ、実はアリスという女性を…」
ガッ、という鈍い音が聞こえたとたん、目の前が暗くなった。
なぜだ…。アリスの名を言ったとたんに殴られるとは――。
薄れゆく意識の中でわたしは、「アリス失踪事件」と「巨大すぎる金貨」の影に潜む巨大な黒幕の存在を感じていた…。
明日か明後日頃には続く。
―――――――――――――――――――――――
【10/6日の気になるニュース】
http://sports.yahoo.co.jp/hl?c=sports&d=20041006&a=20041006-00000040-spnavi-spo
―――――――――――――――――――――――
・この物語は、管理人が時事ニュースにインスパイアされて綴ったフィクションです。
・貼ってあるニュースと本文の内容について、深い関係はありません。
・URLは、情報提供元が定めた期間を過ぎると削除される可能性があります
第一巻『Webの国のアリス』 第一話
第一話 プロローグ 一枚の写真
ある日、平穏な日々を送っていた一家から失踪した一人の少女、「アリス」。
部屋に残されたのは、謎の巨大金貨を手に微笑むアリスの写真…。
誰が、何のために…?そして、あまりにも巨大すぎる金貨の意味するものとは…?
わたしは、アリス捜査を依頼された探偵、キャロル。
わずかな手がかりをもとに、さっそく調査に向うことにした。
まず向かうべきは…。そう、金貨が示すあの地だ――。
明日か明後日頃には続く。
―――――――――――――――――――――――
【10/6日の気になるニュース】
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041007-00000003-maip-soci
―――――――――――――――――――――――
・この物語は、管理人が時事ニュースにインスパイアされて綴ったフィクションです。
・貼ってあるニュースと本文の内容について、深い関係はありません。
・URLは情報提供元が定めた期間を過ぎると削除される可能性があります。
ある日、平穏な日々を送っていた一家から失踪した一人の少女、「アリス」。
部屋に残されたのは、謎の巨大金貨を手に微笑むアリスの写真…。
誰が、何のために…?そして、あまりにも巨大すぎる金貨の意味するものとは…?
わたしは、アリス捜査を依頼された探偵、キャロル。
わずかな手がかりをもとに、さっそく調査に向うことにした。
まず向かうべきは…。そう、金貨が示すあの地だ――。
明日か明後日頃には続く。
―――――――――――――――――――――――
【10/6日の気になるニュース】
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041007-00000003-maip-soci
―――――――――――――――――――――――
・この物語は、管理人が時事ニュースにインスパイアされて綴ったフィクションです。
・貼ってあるニュースと本文の内容について、深い関係はありません。
・URLは情報提供元が定めた期間を過ぎると削除される可能性があります。
