決断を下した美咲と陽斗は、展覧会の準備に着手する。
この展覧会は、智也と絵里の物語だけでなく、彼らが生きた明治時代の文化と社会の変革を現代に伝える大きな試みだ。
二人は、展覧会を成功させるため、過去への一歩を踏み出す。
これは、文字通りではなく、過去の人々の生活、
思想、感情を深く理解しようとする試みである。
美咲は、智也の日記や手紙、そして時代の文献を再び手に取り、展覧会に展示する資料の選定を始める。
彼女は、智也が感じた喜びや苦悩、絵里への深い愛情を、展覧会を通じて視覚的にも感じ取れるように工夫を凝らす。
また、陽斗は、智也と絵里の子孫として、家族が代々受け継いできた遺品や記録を提供し、過去と現代のつながりを示す一端を担う。
準備の過程で、二人は智也と絵里の時代に思いを馳せる。彼らは、当時の人々が直面した社会的制約や個人の選択が、現代にどのような影響を与えているのかを考察する。
展覧会のコンセプトは、ただ過去を振り返るのではなく、過去から現代へ、そして未来へと続くつながりを視覚化し、感じ取れるようにすることにあった。
美咲と陽斗の努力は、やがて実を結ぶ。展覧会の開催が近づくにつれ、智也と絵里の物語に興味を持つ人々が集まり始める。二人は、過去への一歩が、実は未来への大きな一歩でもあることを実感する。展覧会を通じて、過去の恋愛物語が現代の人々に新たなインスピレーションを与え、人生を豊かにする力があることを再認識するのだった。


