今日は久しぶりの雨が降っているケンブリッジ。

一日中降り続くようですが、降雨量は多くなく

しっとりとした雨なので

乾ききったパドックや畑には最高です。

 

さて。

あゆおばちゃんは、数年前に家を購入し

現在は賃貸物件にしています。

ケンブリッジではおそらく一番価格の低いエリアで

築年数もアンティークにはならない

ただの古い物件ではありますが

収入の一部にはしっかりなってくれて

「家がお金を稼いでくれる」状態です。

 

家を貸していたコロンビア人ファミリーは

とてもオーネストできれい好きだったので

賃料を据え置きのまま2年弱いてもらいました。

その金額は不動産屋に大笑いされるほど

安い金額だったんです。

アベレージの8割以下の賃料だったからね。

 

大家は賃料を決めることができます。

賃料値上げは一度したらその後1年は

法律上でできないことになっています。

不動産関係の知人には口をそろえて

「安すぎるから値上げしなよ」と言われていました。

 

3か月ほど前に「あなたたちはこの家を

本当に大事に使ってくれて私も嬉しいの。

だけど、市場すべてのものが値上がりしていて

そろそろ賃料をアップしたいのだけど・・・

しつこく言うけど、あなたたちの落ち度は全くないのよ。

私が書類で告知をして2か月後から

賃料が変更になるけれどいいかしら?」と

打診したのです。

するとね、書類を渡す前に口頭で言った金額が

すでに銀行から振り込まれているじゃありませんか!

それでもアベレージの8割に届いたくらいの賃料。

やはり知人たちは

「いいの?あなた向こう一年値上げできないのよ!?」と

心配するくらいだったわ。

 

大家の私としては、賃料以上に重要だったのが

家を大事に使っていただけることでした。

家の中は髪の毛一本落ちていないし、

そこもかしこもピッカピカだし、

家の外の芝生も常にきれいに刈ってくれてたの。

 

ところが。

11月の半ばに大きな事件が。

 

テナントさんのご主人が亡くなってしまったのです。

奥様は英語がほとんどしゃべれないので

22歳の娘が電話をくれました。

彼女は泣きながら

「お父さんが先日亡くなってしまったの。

それでね、お父さんの口座が凍結されてしまって

もしかしたら次の賃料の支払いが遅れるかも。

ごめんなさい」って。

 

心配すべきは支払いのことではなく、

お父さんの葬儀のことや

ショックを受けているお母さんのことのはず。

それなのにきちんと連絡をしてくれて・・・ねえ。

 

「支払いのことは今は考えなくていいから

まずは家族のことを考えてね。

それと急いで決断をする必要もないから

じっくりと考えてね」ということを伝えました。

 

大黒柱のお父さんは、家族唯一の収入のある人で

かつ、永住権を申請中。

奥様と子供たちはその下にいたの。

 

収入減がなくなった今、

一軒家を借り続けるのは厳しいだろう。

メインの永住権申請者である父親が亡くなった今

無収入の奥さんと子ども二人が永住権をとれる可能性は

かなり低いのではないか。

など、私は考えていたのですが

案の定、彼らは退去することになりました。

イミグレーションの通知が来るまでは

ハミルトンの知人宅にフラットをすることになったそうです。

 

借主は退去するにあたり、

大家に書面で退去通知をしなければなりません。

退去通知から28日間の期間を設けなければいけないのも

法律で決まっていることです。

しかし今回は通知から10日ほどでの退去です。

退去通知の中に「貸主と借主の間で合意の上」という文面を

きちんと書くようにとアドバイスしました。

 

退去日にはファイナルインスペクションをします。

これで壊れた個所や汚れた部分などを見つけた場合は

修正をしてもらうか、こちらが修正してかかった費用を

いただく形になります。

それにより先に預かっていたボンドの返金額が変わります。

ひどく汚い場合はコマーシャルクリーナーを依頼したり

修理業者を呼ばなければなりませんが、

その落ち度が借主にあるか

自然におこる老朽化によるものかにより

請求額も変わります。

インスペクションを行った結果、

2年前にリノベーションした状態と変わりなし!

2年前にはペンキのにおいがあったけど

それがしなくなっただけでした。

ですから、

その場で、口頭でボンド全額返済の約束をできました。

 

そして未払い分だった賃料の日割り計算も

借主側から聞いてきてくれたのです。

そちらも数日後に入金されていました。

 

退去するときは、奥さんから

「いろいろありがとう。

インスペクションのたびに野菜やフルーツを

持ってきてくれたり、

冬場の暖炉用の薪をくれたりして

本当に感謝しているわ」と言ってもらえました。

家を大事に使ってくれるテナントさんだからこそ

私も色々いてあげたいって思っていただけです。

暖かいコロンビアから移住してきた彼らにとって

ニュージーランドの冬は寒かろうと思い、

毎年冬を越せる薪をクリスマスプレゼントとして

持って行っていました。

 

こんな良い人たちが退去するのは

本当に残念。

ここまでよいテナントさんには二度と

巡り合えないんじゃないかしら・・・。

と思っています。

 

そんなわけで、現在テナント募集中。

3ベッドルーム、1バスルーム、1カーポートの

小さな物件です。

image image

 

しかし、時期が悪すぎますねえ。

ちょうどクリスマス前。。。

学校などの新学期シーズン前の移動とも

違うので新しいテナント探しはすんなりいくのかどうか。

 

テナント探しは不動産屋に依頼してあります。

個人貸はしないことにしていますので

数人から問い合わせを受けていますが

「〇〇不動産を通してね」と返事をしています。

ま、気長に待つとしますかね。。。

 

追伸。

「お父さんの遺灰は彼の好きだったケンブリッジに

撒くことにしたの」と言っていました。

勝手にどこでも遺灰を撒いてはいけないと

私は知っていましたが

あえてそのことは教えていません。

だって知ってしまったらまじめな彼らはきっと

悩むでしょう?

知らないほうがいいことだってあるんです。

私は遺灰を撒いた場所を聞かないことにしました。。。

 

 

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