ここのところ、

なんやかんやと大忙しのあゆおばちゃん。

忙しさのほとんどは羊のことなんですけれどね。

週に一度のお休みは

ドッキングをしたりドラフトをしたりと

我が家のプロパテイの羊をいじっておりますよ。

 

ところで。

先日、仕事場で子羊の世話をしていたら

二回からものすごいうなり声が聞こえてきました。

これは難産の母羊の声だな~と思い

ちょっと覗いてみたのよ。

 

そこには大柄の男性二人が出産介助をしておりました。

唸り声がすごかったのは

子羊が出てこなかったからなんです。

私が行ったとき、すでに子羊は死んでいました。

その死んだ子羊を取り出さなければ

母体も危険にさらされるということ。

 

子羊って、頭のほうから生まれます。

たいていの4足歩行動物はそうだと思うけど。

頭から、かつ、万歳して生まれてくるのよ。

 

ところがこの難産さんは

頭が出ているにもかかわらず

「気を付け」の姿勢だったらしい。

腕を取り出さないとなかなか出てこないんですが

それを引っ張り出せないで困っていたの。

 

私が行った瞬間

「あ!あゆみ!君の手なら!」って。

大柄の男の人の手は大きいが

私の手はかなり小さいので産道に入れやすいんです。

 

膣から子羊の体に沿って腕を探します。

うん。

肩の骨には触れる。

これをどう万歳させるかだな。

 

私が手を入れている最中も

母羊は苦しいのでいきんできます。

そのたびに手が圧迫されるのです。

その力、ものすごいんですよ。

それでもなんとか肩からひじにたどっていき

腕を引っ張り出すことに成功しました。

 

本当は両腕引っ張り出したいところだけれど

頭と片腕さえ出ていればたいていはいける。

そこからは一気に赤ちゃんを引っ張り出しました。

そのあとはすぐにお腹の中に二番目の羊がいないかどうかの確認。

獣医によるスキャン検査はシングル判定だったけれど

スキャンは100パーセントではないので

必ず手をいれて確認するのがセオリーです。

けっきょく、死んだ子羊一頭しか身ごもっていなかったんだけどね。

 

いつもは背が届かなかったり、

手が届かなかったり、

小さくて損することしかなかったんだけど

逆に小さくて重宝されるってめったにないので嬉しいわ。

 

その後、私の手はガッツリ腫れあがっていたよ。

お産介助シーズンはファーマーさんの手は

腫れているはずです。

それくらい、いきむ力ってすごいんです。

 

今の仕事で、一番好きなのは

ラミングだなあ。

次に好きなのはラムレーリング。

ラムレーリングでも、コロストラムの時間帯が好き。

哺乳瓶でミルクをあげるからずっと抱っこしていられるもんね。

 

どんな仕事をしていても、学びがあって楽しいよ。

 

追伸。

動画で4~5歳くらいの女の子が

出産介助をしているのを見ました。

小さな手は母羊に対する負担も少なくて済むってことだね。

そんな小さなころから経験を積みたかったなあ。

 

 

 

 

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