〈帝王〉が残した名演奏
当時の契約の都合上、キャノンボール・アダレイ名義となっていますが、実質的なリーダーは、ご存知〈ジャズの帝王〉ことマイルス・デイビスです。
1958年に彼らが発表したアルバム『Somethin' Else 』の冒頭を飾るのが、この「Automn Leaves(邦題・枯葉)」。
シャンソンのスタンダードを取り上げたこの曲は、ジャズ全体の中でも屈指の人気&知名度を誇る逸品。
ジャズ入門編として取りあげられることも多いナンバーです。
新主流派を代表する1曲
そのマイルス・デイビス楽団が抱える秘蔵っ子として、ジャズ界にさっそうと登場した天才ピアニスト、ハービー・ハンコック。
彼がブルー・ノートから発表した数多のリーダー・アルバムの中でも、特に高い評価を得ている名作が、1965年に発表された『処女航海 』です。ここで紹介するのは、そのタイトル曲。
当時最先端のジャズ奏法〈モード〉を駆使して繰り広げられる、クールで鮮烈なサウンドをどうぞ。
〈聖人〉、唯一のブルー・ノート作品
わずか40年の短い生涯を通じて、ストイックにジャズ道を探求し続けた〈聖人〉、ジョン・コルトレーン。彼がブルー・ノートに残した唯一のリーダー・アルバムが1957年に録音された『ブルー・トレイン
Blue Train
』です。
まずは、ここで取りあげたタイトル曲をお聞きください。
野獣の雄叫びのように野太く、流れるようなサックス・ソロ・・・〈シーツ・オブ・サウンド〉と評されるコルトレーンのプレイに圧倒されること必至です。
悲劇のピアニスト、最後のブルーノート作品
モダン・ジャズ・ピアノの開祖と称される一方で、酒や麻薬に溺れた悲劇のジャズマンとしても知られるバド・パウエル。
その生涯は、映画〈ラウンド・ミッドナイト〉のモデルにもなりました。
ここで紹介する楽曲(邦題・クレオパトラの夢)は、彼がブルー・ノートに残した最後のリーダー・アルバム『The Scene Changes 』の中の1曲。
数多くのCMやテレビ番組で使われてきたその旋律は、ジャズ・ファンならずとも聞き覚えがあるはず。
大ヒットした元祖ジャズ・ロック
先に挙げたアート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズにも在籍していたトランペット奏者、リー・モーガン。
クリフォード・ブラウンやマイルス・デイビスといった天才トランペッターたちの後を追って登場した彼は、1960年代を通して大活躍。ここで紹介するのは、代表作に数えられる1枚『ザ・サイドワインダー The Sidewinder 』のタイトル・ナンバーです。
〈4ビート〉というジャズのセオリーを打ち破り、〈8ビート〉で作られたこの曲は〈ジャズ・ロック〉と呼ばれ、当時大ヒットを記録しました。