京都は祇園祭の真っ只なかです
月曜の朝です。
みな様おはようございます。
京都はいま『祇園祭』の真っ只なかです。
昨日14日~16日は宵山
17日には前祭りの山鉾巡行が行われます。
そうなると「梅雨明けも近いなぁ…」という感覚になるのは、京都に生まれ、京都に育ったからでしょう。
四季の移ろいや季節の風物詩などなど、私達は日常の些細な環境からも無意識で影響を受け続けているのだとわかります。
環境…昨今その大切さについて様々なところで見聞いたします。
同時に、その影響は私達の想像を遥かに越えるのではないか…と考えさせられる出来事もありました。
誰もが持つミラーリングシステム
私は2人の先生に師事しています。
おひとりは歌唱がご専門ですが、話声も素晴らしい「声」のエキスパートです。
コンサートなどでよく、お歌は素晴らしくてもMCの話声でガッカリする人が大多数な中にあって、先生は別格と言えます。
その背景に熱い探究心と基礎研究があったことは、私がレッスンを受け納得しているところです。
奥様は歌を生業とされているそうで、お子様はまだ3~4歳のお可愛らしいばかりの頃。
いつのことだったか…少々お疲れで睡眠不足なご様子です。
「子供の声が大きいんですよ!」
「嫁さんも声が大きいから」
と、こぼしておられました。
そりゃ~先生と奥様のお声を四六時中ミラーリングしていたら、お子様の発声がよろしいのは当然ですよねぇ!
「…そうなんですよ!!」
と、大笑いになりました。
私達の聴覚器官は胎児の頃から発達をはじめ、24週を過ぎるとお母さんのお腹の中で周囲の音をキャッチして聴神経を構築して行きます。
赤ちゃんはあらゆる声を聴き取る素質を持って生まれて来るので、大人達は赤ちゃんが思うままに声を創り出す機会を守る(時と場所を学ぶ機会にもなる)意識を持ちたいものです。
それは、様々な場所や環境での発声が音の反響となり、聴覚の肥やしとなり(聴覚フィードバック)、同時に音感も養われるからです。
泣いたからといって直ぐに泣き止ませるとか、大きな声を出して叱られるとか、小声しか出せない環境で育つのは、本人にとっては大変な不幸と言えます。
私達は成長の過程で、いずれ声の大きさも周囲との調和を図りコントロールするようになる訳ですから、それより前の段階で「善い声」に包まれ育つのは、発声と聴覚にとってたいへん恵まれた環境と言えます。
そもそも、声をつくりだし、声を制御しているのは「脳」なのですから···これも一般的には知られていません。
ご両親が素晴らしい共鳴で話声を用いておられたら、赤ちゃんはお腹に居る頃からそれをミラーリングし続けています。
更に赤ちゃんは、お母さんの口元を目で見て、発音のつくり方もミラーリングしていることが判っています。
それは、音声言語におけるミラーリングシステムが視覚情報や聴覚情報に起こることを意味しており、その働きは発声や共鳴にも同調します。
私達ひとりひとりの「声」は、無意識に様々な影響を受け今の声になっている訳で、「音環境」の重要性ももっと重視されて良いと感じています。
レッスンでの変化に驚愕!
ミラーリングシステムが機能するのは子供だけではありません。
先週、対面レッスンをされた方々(一部)のご感想です。
Aさんのケースではレッスン後しばらくしてから、私の目の前で容姿がどんどん変化されて行くので、写真撮影が忙しかったくらい、笑!
発声は「全身運動」なので(当然ですが)まずはカラダからアプローチします。
かと言って、レッスンで大きく減量できる訳でもないと思うのですが、とにかく容姿は変ります…しかも美しく!
そして、それが本来に近いお姿だと私は思います。
声は、その人を、その声のようにして行く
これは本当です。
だからどんどん磨かれて行きます。
Aさん・Bさんの変化は『自分の声は自分が一番聴いている』ことの証明かと思います。
レッスンでは発声時の体感と感情を大切にしながら、レッスン後の声をお持ち帰り頂き、次回レッスンまでの再現にお役立て頂いています。
私達は出掛ける時に鏡の前で身だしなみを整えます。
同じように、人様にお聴かせする声も、自分の一番善いものが伝わる声であるよう、調えたいものです。
それは、その人が一番美しくある状態で現れる声だと、思うからです。
そして、その声をお聴かせ頂けた時の私の歓びは、まるで、その人の最も美しい部分に触れさせて頂いたような感覚になるのです。
脳へ直接影響を及ぼし、容姿を変える『声の力』は侮れません。
今日はこのあたりで。