よく寝る兄弟だった。
中学、高校と下校後は
兄弟それぞれ帰宅するなり
ジャージに履き替えては
おのおのこたつに入り夕ご飯まで寝ていた。
父が帰宅する音で目覚める私は
母の夕ご飯の支度の音と
父が帰宅してくる車のエンジン音、
玄関の開け閉めの音
ジャラジャラしてるお父さんの鍵の束と
お財布を置く音の間で
よくまどろんでいた。
毎日
ただいまーっと割と大きめの声で
言うと、
子供たちが寝ているのを見ると
「寝てたらそっくりだね」
「うちのこかわいいねー」っと
毎度毎度、いうのでした。
この声が兄にも届いてたらよかったな。
私はこれを聞くと照れる反面
やっぱりうれしかった。
お母さんの、ご飯だよーで
重い体を順に起こして
だらしなく食べ始める夕食
お兄ちゃん、、
いつも愛されてないと
両親に反発しているけど
我が家は
不器用で言葉足らずで
弱くて、素直になれず
乗り越えきれない悲しいこともあったけど
愛は絶対あった。
私も親になって思うことだけども
子どもに愛を伝えつづけて
尚更、それを我が子に受け取ってもらうのは
本当に難しいことだと思う。
お兄ちゃんも
いつか両親に自分も愛されてるって
大切な存在って自信がもてる日が
きますように、、、。