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夢枕獏「餓狼伝Ⅹ~ⅩⅡ」★★★★★☆

大学時代に読んだ数少ない本、10数年ぶりに続編を読みました。
 今回はパート10~13まで一気読みしました。
 

 マンガ版とは登場人物や展開が異なりますが、小説版の方が面白いです。

 アントニオ猪木、力道山、大山倍達、ブラジリアン柔術など実在する人物をモデルにした仮想の闘いが繰り広げられます。
 作者は空手が好きなようで、天才空手家・姫川とその師匠が勝ち続けます。
 
 これに対抗できるのは、一流の空手家でもあるプロレスラーの巽(=アントニオ猪木)しかいません。
 続編では、プロレスラーの逆襲に期待します。


 活字でも、勝敗の行方や闘いそのものを楽しませる構成は素晴らしいです。

 単純明快、熱い描写で気合の入るフレーズがいっぱいありました。パートⅠから遡って再読も考えましたが、ぐっと我慢しました。


 いろんなジャンルに挑戦しないといけません。

東野圭吾「ダイイングアイ」★★★★☆☆

自宅付近の市立図書館では予約件数が約200件もあるのに、職場近くの区立図書館では予約なしで借りることができました。
 冊数はほぼ同じなのに、この差は何?と思いました。

  「赤い指」に続いて、東野圭吾さんの著書2冊目です。


 交通事故を起こしてしまったバーテン・雨村が、事故死した被害者の夫に襲撃され記憶を失ってしまいます。
 雨村は記憶をたどるべく独自に調査を開始しますが、被害者の夫が自殺、雨村の恋人が失踪と不可解な出来事が続います。

 そんな中、謎の美女・瑠璃子が現れます。
 雨村が「俺はこの女に溺れる。」と直感したように、瑠璃子は少しずつ雨村に近づき、雨村を虜にしていきます。

 途中、「何だ、官能小説か!?」という描写が続きましたが、記憶を取り戻していく中で判明していく真実、面白い。
 
 瑠璃子はなぜ雨村を殺さなかったのか?あんな感じで近づいてどんな復讐を考えていたのか?を知りたいです。


 ラストは怖かった。
 「ダイイングアイ」。
 「赤い指」同様、やはりタイトルに深い意味がありました。

 死に行く者の目。怨み、生への執念。
 数々の思いが目力となってとり憑いてしまう。
 もちろん、加害者側に自戒の念があるからこそなのでしょうが…。

 ホラーの世界だけではなく、現実にもこういうことってあり得ると思います。

 そして、嫁さんが深夜に帰宅する時は必ず迎えに行くこと。
 飲酒運転は厳禁。


 平成20年12月

石田衣良「約束」★★★★☆☆

第一章。池田小の事件を彷彿とさせる通り魔事件の話です。

 感動やこみ上げてくる気持ちが、自分自身の感受性を超えてしまったようで、第2章以降を読む気力がなくなっていました。
 だから、最後まで読み切ってません。


 クラスのヒーローのリョウジと普通の少年のカンタ。
 ある日、リョウジが通り魔からカンタをかばい亡くなってしまいます。

 カンタは「自分が生きていていいのか。」
 「自分が死ねばよかった。」
 と、自問自答を繰り返します。

 自責の念に駆られるカンタの前に、リョウジが現れます。
 「自分の分も一生懸命に生きてほしい。」とメッセージを送り、カンタは前向きに生きることを誓います。 

 本当に感動しました。

 生きているとつらいことがたくさんある。
 でも、生きていかなければならない。

 こんなメッセージを含んだ映画や本はたくさんあります。

 つらいことがあると、これらのメッセージを忘れてくよくよしてしまいます。
 でも、つらいことがあるたびに、これらのメッセージを思い出し奮起することができます。

 こういうメッセージの引き出しはたくさんあった方がいい。
 新しいメッセージの引出しを増やすことができました。