「人には無限の可能性がある!」
これを生涯を通じて実践的に証明すべく、あなたの執筆と魂が悦ぶ®出版を応援する、夢実現応援家®の藤由達藏です。
文章力を高めるための「喩える力」について考えるシリーズの5回目です。
前回は、「似て非なる物から比喩が生まれる」と題して、修辞学(レトリック)の一部をなす「比喩」の中から「直喩(明喩)」について見てきました。
今回はその続きです。
■2.隠喩(暗喩)
「直喩」は、「似ている」という判断と同時に両者は別物であるという認識を示していましたが、「隠喩(いんゆ)」は少しだけ違います。
別々の物を「似ている」と判断しながらも、両者は別物であるという認識は前面に押し出さず、類似性の判断を断定的に表現するのです。
一般的には、喩えていること(似ているという認識)が暗に示されていて隠れているから「隠喩」「暗喩」だと言われるのですが、個人的には、両者は別物であるという認識が隠れているから「隠喩」であり「暗喩」だということで覚えています。
・彼女は天使だ。
彼女が人間である限り天使ではないはずですが、天使に似ている、あるいは天使と言ってもいいとの主観的な判断を、「天使だ」と断定的に表現しているので隠喩です。
・あの政治家は、財界の操り人形だ。
その政治家は人間であって人形ではないのですが、その行動が財界の要望通りであることから、人形使いの意図どおりの動く「操り人形」に似ているという判断を、「操り人形だ」と断定的に表現しています。
■日常表現に紛れ込んだ隠喩
この「隠喩」も、ごく普通の日常的な表現に紛れ込んでいて、特別名表現とは思えないものもあります。
・馬鹿(だ)!(相手に向かって「(相手が)馬鹿だ」と言う場合)
相手がまともな人間であるかどうかは別として、馬鹿のようだとか馬鹿としか思えない、あるいは馬鹿みたいだ判断を、「馬鹿だ」と断定的に表現しています。
・彼は社長の右腕だ。
彼は当然人間ですので、腕という肉体の一部ではありません。しかし、社長の意を体してよく活躍するので、その姿は利き腕の右腕のようであるという判断を、「右腕だ」と断定的に示しています。
・彼女は一家の大黒柱だ。
彼女は人間であるのは間違いありませんが、家を支える大黒柱と同じように、ある家族を中心になって支えているので、まるで大黒柱のようだという認識を「大黒柱だ」と断定的に表現しています。
このように見てくると、
「え? それってごく普通に、判断を述べているだけじゃないの?」
と言いたくなるかも知れません。それほど隠喩というのは、ごく普通の判断を示す表現とそっくりなのです。
「○○部長の下で働いてみてどう?」
「いやあ、○○部長は鬼だね」
「どうして?」
「だって、仕事の振り方がわんこそばだからね。毎日が地獄だよ」
「そりゃ災難だね」
「人事異動なんてロシアンルーレットだよ」
まあ、無理矢理つくった会話例なので、こんな会話は実際にはないでしょうが、
「鬼」
「わんこそば」
「地獄」
「災難」
「ロシアンルーレット」
が隠喩だということがわかりましたか。
直喩だとか隠喩だとか、すこしだけでもその概念を理解しておくと、文章を書くときに、無自覚にではなく、自覚的に表現できるようになります。
次回は、「換喩」について考えてみたいと思います。
お楽しみに。
(つづく)
それでは、今日も、
あなたの執筆生活と魂が悦ぶ®出版を心より応援しています。
読者登録していただけたら嬉しいです!
また、5月から「魂が悦ぶ®出版講座」第4期をスタートさせます。今年をあなたの出版元年にしてみてはいかがですか?
こちらも是非、ご検討ください。
ではまた!
◎「魂が悦ぶ®出版講座」第4期 お申し込みページ(早期割引①)
https://www.reservestock.jp/
来る5月から、「魂が悦ぶ®出版講座」第4期が始まります!
zoom説明会も開催しています!