土曜日、今週こそバイクに乗りたいと言う願いも虚しく雨はやむ気配も無い。
天気予報では止むどころか激しく降ると言っている。
バイクで出掛け、信州のクネクネ道を楽しみ、諏訪の宿で掛け流しの温泉に
プカプカする予定だったが、仕方ない車で行く事にした。東海環状から中央道に
入り、小黒川PAのスマートETC出口で高速を降りた。出発が遅かったので、この
時点で14時近かったが、せっかく信州に来たので昼飯はやっぱり蕎麦だろう。
小黒川にスマートETCが出来る前は伊那から来なければならなかったが、ここ
行者そば梅安さんは、オレがツーリングの度に寄らせて貰う蕎麦屋だ。
田舎家を店舗に仕立てて営業している面白い店で
以前は座卓だったので、親戚の家に来たような雰囲気だったが、いつの間にか
テーブルに替わっていた。
供される蕎麦は、この行者そば、田舎そば、もりそば、かけそばの4種類で、すべて
手打ちの10割蕎麦だ。オレがいつも頼む行者そばは、つゆに大根の絞り汁が溶い
てあり、それに薬味の焼味噌を溶きながら食う。信州の山間部では昔から伝わって
いる食い方だそうで、蕎麦は幅広粗びきの田舎そばだ。
薬味のネギ、辛味大根、焼味噌
ほんのりと甘い玉子焼きもおすすめだ。
通は最初塩で食うんだよ
とか言う人が居るとアホかと思っていたが、蕎麦がこれくらいしっかりした味だと、
勝手なもので、ああ、なるほどと思う。
そしてここ梅安さんで忘れちゃいけないのは鴨汁だ。鴨出汁にその季節の野菜が
たっぷり入った温かい汁で、今日は鴨肉はもちろん、筍と隠元の食感が絶妙だ。
こいつに蕎麦を入れて食うのがまた美味い。これで冷たい汁、温かい汁の両方が
楽しめる。
ありゃりゃ、
店から出るといつの間にか雨は上がり、雲の切れ間からは青空が見えていた。
それにしても、少し前なら多少雨が降っていてもバイクで来た筈だが、オレも
根性が無くなったもんだ。