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5月2日、旅支度をパニアケースに納めたADVで出社し、残った仕事を片付け、ライディングウェアに着替えて会社を出たのは14時を回った頃です。予約した鹿児島の志布志行きさんふらわあは大阪南港を17時55分の出帆なので1時間ほど余裕を持ちました。
会社から南港までは約200キロあります。大高インターから伊勢湾岸道に入り東名阪、新名神、京滋バイパス、第二京阪、近畿道と乗り継ぎ、東大阪JCTで何度走っても迷いそうな阪神高速へ入りますが、あまりアテに出来ないBMW純正ナビの補助に手書きのルートメモをシールドに貼っておいたお蔭で、16時過ぎ無事南港に架かる赤い港大橋を渡りフェリー埠頭に着きました。
桟橋にさんふらわあ きりしまが停泊しているのが見えると、嫁や仕事の事が頭からすっかり消え去り気分が盛り上がります。係員に誘導され既に多くのバイクが並んでいる乗船位置にGSAを止め手続きを済ませました。
私の周りに居るツアラーやADV系のバイクに乗る連中はただバイクで走る事が好きな人が殆どで、北海道や九州へ行くにも往復自走って人が多いですが、私はそんなのゴメンです。
もちろんバイクで走るのも好きですが、船旅も好きなので片道だけはゆったりフェリーで風呂に入り、酒でも飲んで過ごしたいんです。本当は帰りがフェリーってのが理想なんですが、今回はうっかり予約を忘れてしまい、往路しか取れませんでした。
トラック、乗用車に続きバイクの乗船ですが、船内のスロープを2回下った最下層の車両甲板がバイクの駐車場所でした。エレベーターは1基しかなく混んでいるので、荷物を持ち、ゼイゼイ言いながら階段を上り案内所でキーを貰い7階の部屋へ入りました。
部屋はデラックスBの個室で窓が有り、ツインベッドでトイレとシャワーが付いていますが、船齢24年の寄る年波には勝てず、狭いベッドやシミだらけのカーペットは太平洋フェリーのいしかりや新日本海フェリーのすずらんとは比べるべくもありません。天井のスピーカーからは脳に刷り込むように「さんふらわ～さんふらわ～♪」と例の歌が延々と流れています。
それでもデッキに出れば、旅の気分は自然と盛上ります。
陽が沈み出した頃、フェリーは風も無く穏やかな大阪湾を静かに動き出しました。
部屋に戻りシャワーを浴びるとレストランの営業が始まっていました。食事は入口の券売機で1540円のチケットを買い、並んでいる料理をトレーに乗せていくカフェテリアスタイルです。
今日のおススメは豚の角煮だい！おでんに枝豆、かつおのたたき、ちゃんぽん風焼そばと、外国映画で見る豪華クルーズでは、まず味わえない魅惑のメニューが並びます。カレーだって食べ放題だぞ！
テーブルの周りを船旅に浮かれた良い子の坊ちゃん、嬢ちゃんが奇声を上げて走り回ります。私も気分が高揚してしまい、贅沢にもオリジナルワイン白ハーフボトル820円也を頼んでしまいました。 その後部屋に戻ってミックスナッツをつまみに船内の売店で買った赤霧島のお湯割りを呑んでいる内に遠くで響く単調なディーゼルエンジンの音に誘われ、いつの間にか眠ってしまいました。明日目が覚めれば鹿児島です。
お手数ですがお帰りの際はひと押しおながいします！