■ナタリー・シュトゥッツマン

フランス出身の音楽家。

コントラルト歌手(*1)とオーケストラ指揮者、ふたつのキャリアで活躍するアーティスト。

作品に対する真摯なアプローチから生まれる、説得力に富んだ音楽、そして創造性あふれる情熱的な演奏が支持を集めている。

(*1=コントラルトとは、声域の区分で、簡単に言って「アルトの中で、より低い声」の呼称だが、どこで区切るのか明確な定義は無い。どちらかというと、低いこと自体より、声色(質)が「(悪い意味ではなく)重く暗い声」の人をコントラルトと呼ぶように思う。楽譜上のパート名としては単に「アルト」であり「コントラルト」というパート名は無い)


■オルフェオ55

シュトゥッツマンが、2009年に結成した合奏団。

バロック時代から20世紀の作品まで、幅広いレパートリーを持ち、各地で演奏活動を行っている。


今回の演奏会では、シュトゥッツマンの歌と指揮で、バロック時代の声楽曲と器楽曲が演奏された。

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■シュトゥッツマンへのインタビュー


Q.オルフェオ55について

A.オルフェオ55は、歌と指揮と音楽に対する愛を、仲間と分かち合う夢を結実させたアンサンブルです。

誰もが「不可能だ」と言いましたが、歌いながら指揮する演奏スタイルを実現したかった。

モダン楽器もピリオド楽器も演奏できる、柔軟な演奏家たちをオーディションで厳選したことで、極めて幅広いレパートリーを演奏しています。

楽器パートも歌唱パートも自分でやって、両方とも自分で表現できたら、おもしろいだろうなと思ったのです。

いつか指揮をしたい、という夢もありましたから。


Q.オーケストラ名(オルフェオ55)の由来

A.「オルフェオ」はコントラルト歌手にとって最高の役柄です。

音楽で地獄の生き物たちまで魅了します。

そのようなイメージで「オルフェオ」と名付けました。

「55」とつけたのは、5が私のラッキーナンバーだから、自分の性格と同じように、シンプルでまっすぐな名前にしたかった。

詩的な名前のオーケストラはすでに数多くあったので、違った名前にしたいと思いました。

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2018年5月15日
紀尾井ホールにて収録

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2018年7月31日放送
クラシック倶楽部(BSプレミアム)より