『蜃気楼の犬』呉勝浩
乱歩賞を受賞して
『道徳の時間』でデビューしたのが8月
次に書いた
『ロスト』が12月
そして、5月30日
早くも3冊目の発売
これに関しては
小説現代9月号から連載が始まった
連作短編集です
第1話
『月に吠える兎』を読んだ印象は
不穏な空気感が凄いなと
現場の番場、と呼ばれるベテラン刑事と
捜査一課のルーキー船越との警察ものなんですが
番場にはふたまわりも年下の奥さんがいて
子供が生まれそうな状況に
若い女性のバラバラ死体事件
そのころ
家で奥さんは
『殺人事件』という詩を読み
船越は正義感に熱く
キラキラしている
番場は
正義など、どうでもいいと
このまちで
嫁から幸せを奪う可能性を
迷わず排除するだけだと
こんなキャラが活躍する
読み切りの短編なので
サラッと読めるのだけど
不穏な空気を漂わせて
事件は解決するのです
連作の楽しみとして
番場と奥さん、船越が
この先
どうなってしまうのやら
発売が待ち遠しい一冊です