ごまジロー・セッション
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第83回の「ごくごく会」

また、また、また、第78回以来の遅ればせの報告。

79~82回までをまとめて掲載しようかと思案したが、

長い文を読むのは億劫かと、

最近のもののみに。

 

第83回の「ごくごく会」。

11月3日にいつもの高田馬場で開催。

 

今回、私は碁会には初めての欠席。

句会は参加は7名で、

投句は7名。

選句は9名。

 

今回の兼題は、

朝寒(朝寒し)、黄落(コウラク)、生姜(ショウガ、はじかみ)、嘘(無季)。

 

今回の特選は下記。 

 

天楽

 

 朝寒に老い凍らせて坂登る

 

義人

 

 高きより鳥落下して秋の暮

 

 黄落のふしぎの森へさあ奥へ

 

春也

 

 葉生姜や抓みて嘘の匂い嗅ぐ

 

龍水

 

 白秋や汀の風に身をさらし

 

 はじかみや白磁のちょこに薄き紅

 

敦子

 

 新蕎麦の行きつけの店ありしかな

 

 灯は枯れ枝にあり残り柿

 

 

私の句は下記。 

 

 大嘘も大慾もなし紅生姜

 

 朝寒し夢の続きの二度寝かな

 

 朝寒や遅き朝餉の茶漬け喰う

 

 黄落やシャンソン唄うハ短調

 

 嘘つけぬことのみ取りえ土生姜

 

 

1句と2句を3人から選んでいただいた。

3~5句はそれぞれ1人から選句。

 

蛇足:

今回は蛇足の要はないかと思うが…。

 

1句目がなぜ「紅生姜」で、

5句目がなぜ「土生姜」?

やはり、蛇足はなしに。

 

4句目「黄落や…」。

駄洒落? 語呂合わせ?

はらはらと風に舞う黄ばんだ木の葉。

葉短調? 破調?

 

第78回の「ごくごく会」の報告

また、遅ればせの報告。

第78回の「ごくごく会」は、
4月9日にいつもの高田馬場で開催。

碁会の参加は今回は5人。
珍しく1勝2敗の負け越し。
緒戦は高段者に3子を置いて対戦。
我ながらなかなか上手く打ち進んだと思っていたものの、
見損じもあって終盤に緩み、
かろうじて1目の勝ち。

句会は参加は7名で、
投句は8名。
選句は9名。

今回の兼題は、
花冷、草餅、亀鳴く、来(無季)。

「亀鳴く」は春の季語。
藤原為家の
「川越のをちの田中の夕闇になにとぞきけば亀の鳴くなり」
が典拠とされる。
実際には鳴かない。
俳句の遊び心。

今回の特選は下記。

天楽

 花冷えに燗酒を注ぐ影法師

義人

 川波が花をあつめて祭かな

とほほ

 幾春を超えて来るか重力波

龍水

 自写像をおかし悲しとながむ春

 むらさきの花いっぱいに活けて春

康憲

 花筏主役を譲る池の鯉

 亀鳴くやディーゼルターボで来たんだよ

 (私が特選に選んだのはこの句。
  足の遅い亀が息急き切って駆けつけた景が思い浮かばれユーモラス)


私の句は下記。

 花冷えや誘いの文を出し忘れ

 ルビ好きの春也の詠や亀の啼く

 同行の二人と来しか花の道
 
 悪法に毒を煽るや亀の鳴く

 草餅や左の頬に留めしまま


1句目を特選に選んでいただいた。

蛇足:
1句目「花冷えや…」。
蛇足の要は無しと。
 
2句目「ルビ好きの…」。
春也くん(中也きどり)は本当にルビ付きの句が多い。
なかなかのテクニシャンで、
亀の鳴き声も聞こえるか…?!

3句目「同行の…」。
お遍路の「同行(どうぎょう)二人」は弘法大師との道連れだが、
「花」になるといつも、
西行の「願わくば花の下にて春死なんその如月の望月のころ」の歌を思い出す。
同行は弘法大師(空海)でも西行でもいいし、
昔、誰かと行った花の道でも。
ちょっと蛇足過ぎ?

4句目「悪法に…」。
ソクラテスは、
「悪法もまた法なり」と毒杯をあおったとか(異説いろいろあり)。
しかし悪法は悪法。
鳴かない亀も声を挙げなくては。

5句目「草餅や…」。
蛇足無用。

第77回の「ごくごく会」

第77回の「ごくごく会」は、
2月11日にいつもの高田馬場で開催。

碁会の参加は4人と寂しい。
総当りの3試合。
2勝1敗だったが、
一番勝ちたい相手に負けたのが悔しい。

句会は参加は7名で、
投句は6名。
選句は9名。

今回の兼題は、
春寒し(春寒)、椿、飯蛸、化(無季)。

今回の特選は下記。

天楽

 無尽蔵椿うかべて夜の湖(うみ)

義人

 春寒やマスク外して風を飲み

春也

 飯蛸よ西海の夢食(くら)ふらん

 春寒や能化(のうけ)と所化(しょけ)の濁世(だくせ)かな

 (春也くんはルビが好き)

敦子

 落ち椿雨後に咲く様妖しまで

とほほ

 化化化化化蛇は目覚める春の雪

 (んー、とほほワールド!?)


私の句は下記。

 飯蛸やひと粒ごとの磯の幸

 春寒し酒家に寄るべし帰るべし
 
 紅椿落つるををしむ切り通し
 
 白椿鏡の妻の薄化粧

 化に誇る聖戦は無し春の夢


1句目を特選に選んでいただいた。

蛇足:
1句目「飯蛸や…」。
蛇足の要は無しと。
祖母の煮てくれた飯蛸が好きだった。
 
2句目「春寒し…」。
これも蛇足の要は無しと。
真っ直ぐ帰るか寄ってから?

3句目「紅椿落つ…」。
「をしむ」を古語辞典でひくと、
「愛しむ」と「惜しむ」の二つの書き方が。
「愛しむ」は「深く愛する。いつくしむ」、
「惜しむ」は「捨てがたく思う」の意。

4句目「白椿…」。
これも蛇足の要は無しと。
参加のみんなにからかわれた。

5句目「化に誇る…」。
この「化(か)」は「教化・徳化」の意の簡略表現。
悪い「平和」は無いし良い「戦争」は無い。
安倍さんは「女の平和」は読んだかな?

第76回の「ごくごく会」

第76回の「ごくごく会」は、
12月23日にいつもの高田馬場で開催。

碁会には5人が参加。
私は聴きに行きたいコンサートがあって初めて碁会を欠席。
聞くところによると、
碁会で一番上手(うわて)の鎌倉6段(?)の話では、
下手(したて)のメンバーが最近強くなって、
私が6子置かせている某君は初級ぐらいになったということだけれど、
そうすると私は4~5段ということになるが、
それは違うと。
まあ、相性というのがあるので。

句会からは私を含めて2人が参加で計7名。
投句も7名。

今回の兼題は、
冴ゆる(冴え)、木の葉(このは)、おでん、再(無季)。

今回の特選は下記。

天楽

 再会の湖(うみ)に落ち込む冬の雁

義人

 何ごとか忘る湯気喰うおでんかな

とほほ

 餓鬼集めおでん屋台はチンドン屋

 都市救命滴る血を飲む冴えた月

 (とほほワールドは健在?)

龍水

 無一物てふエロスあり月の冴え

 (龍水くん、久しぶりの投句)

敦子

 花八ツ手古式豊かに庭にいて


私の句は下記。

 月冴ゆる古希にて耳の順うや

 うんちくはさておきおでん迷い箸

 再びの情宜を得んや片時雨

 この星をたれに遺すやレノンの忌

 木の葉舞う家路に続く三連符


1、2句目を特選に選んでいただいた。

蛇足:
1句目「月冴ゆる …」。
論語に、子曰く「吾 十有五にして学に志し 三十にして立ち 四十にして惑わず 五十にして天命を知る 六十にして耳順い 七十にして 心の欲する所に従いて矩(のり)を踰(こ)えず」。
今年9月に古稀を迎えたが、
孔子のように「70歳になると 自分が行うすべての行動は 道徳の規範から外れることはなくなった」とはとても言えない。
せめて人の話に抵抗無く素直に耳を傾けられるようになりたいものだ。
 
2句目「うんちくは…」。
これは蛇足の要は無しと。

3句目「再びの…」。
情宜は「じょうぎ}。
いつも誠意をもって知人や師弟とつきあおうとする気持ちのこと。
「片時雨(かたしぐれ)」は、
あるところでは時雨が降っていてあるところでは晴れていること。
自戒の句。

4句目「この星を…」。
最初は12月8日の開戦の日の句を考えていたが、
この日はジョン・レノンの命日でもあるのを思い出した。
「イマジン」の2番の歌詞は、
想像してごらん 国なんて無いんだと
 そんなに難しくないでしょう?
 殺す理由も死ぬ理由も無く
 そして宗教も無い
 さあ想像してごらん みんなが
 ただ平和に生きているって

5句目「木の葉舞う…」。
この季節、
並木道を行くと、
風のたびに次から次に木の葉が降り注ぐ。
まるで音符が連なっているように。


第75回「ごくごく会」の報告

また、遅ればせの報告。
第75回の「ごくごく会」は、
11月3日の文化の日にいつもの高田馬場で開催。

碁会には久振りに6人の参加。
しかし、参加時間のズレなどもあり、
対戦したのは2人だけで3局。
6子置かせた緒戦は下手殺しの本領で楽勝。
1年以上ぶりに対戦の相手とは3子置いて、
かなり良い打ち回しをしたものの、
終盤の失着で連敗。
充実感はあったが疲れた…。

句会からの参加が2人で参加8名。
投句は8名。

今回の兼題は、
秋寒、野の色(山の色、野山の色)、茸、続(無季)。

今回の特選は下記。

義人

 秋寒し石に暖とる蝶一羽

 (この句は3人が特選に。こういう季重なり、季違いは可)

 ふところにきっぷあたため鰯雲

とほほ

 脳髄はパナマを満たし秋に立つ

春也

 犬逃げて追えば芋ほる子等の声

敦子

 青山でモロッコティ飲む秋宴

 短冊の句枝に揺れて萩の寺


私の句は下記。

 秋寒や線路に沿うて帰る道

 空谷やともがらのあり茸飯

 目を病みて野山の色の楽しまず

 湯冷めしてくさめの父と飲みしこと
          
 露の世や行く川続くあらまほし

1句目を特選に選んでいただいた。

蛇足:
1句目「秋寒や …」。
これは実景。
よく通った酒場からいつも、
夜遅い電車を見ながら線路沿いの道を帰った。
何の作為も無いのだが、
心象風景・イメージが湧くのかけっこう評価が高かった。

2句目「空谷や…」。
空谷の跫音(くうこくのきょうおん)という言から。
「空谷」とは人がいない寂しい谷。
「跫音」とは足音。
退屈でさびしい暮らしを送っているところに、
思いがけなく人が訪れたり、
嬉しい便りがきたりすること。
「ともがら」は友だち。

3句目「目を病みて…」。
これは白内障の手術をする前の句。
6月頃から右目がかすみ、
日差しがとてもまぶしくなった。
秋空も楽しくはなかった。

4句目「湯冷めして…」。
亡父は退職後は夕方早くに風炉に入り、
自分で酒の肴を用意して手酌で日本酒を飲むのが常であった。
ときおり帰省したときに、
父の酒の相手をしたのが懐かしく思われる。

5句目「露の世や…」。
小林一茶の句、
  露の世は露の世ながらさりながら
が念頭にある。
一茶は52歳で始めて結婚し、
三男一女をもうけるがみんな幼くして死んでしまい、
24歳年下の妻にも先立たれる。
この句は長女が1歳余りで死んだ時の作。

「行く川」はもちろん「方丈記」の、
  行く川のながれは絶えずして、しかも本の水にあらず。」
から。
続けて、
  よどみに浮ぶうたかたは、かつ消えかつ結びて久しくとゞまることなし。
  世の中にある人とすみかと、またかくの如し。」
と。
世の中は露のようにはかなく、
かつ有為転変はするが、
それが続くことが「あらまほし(あってほしい)」。
ちと、
衒学的かも。

手術をしました

ごくわずかな人にはお話ししていましたが、
右目の白内障の手術をしました。

昨日の朝に久しぶりに満員電車に乗って新宿の病院に入院し、
午前中に手術。
短時間ですむとは聞いていましたが、
手術用の椅子に座って消毒や麻酔に17分、
施術は11分でした。
3つの丸を中心とした色と形の変幻と、
頭の上の異様な音を聞いているうちに終了しました。

夜は9時に消灯。
もちろんノンアルコールということもあり、
深夜まで寝付けず、
逆にますます眼が冴えて、
仕事のことをあれこれと思い巡らし、
珍しくテーマや企画案などが次々に浮かんできて、
それを忘れないように何度も廊下に出てメモ。

少し疲れてきた後は、
俳句を5句ほど。
そのうちの3句

 眼を病んで時の移調す夜半の冬

 休肝日無為や有為や冴える夜半

 終電の過ぎて静けし冬の月

 (「冴える」は冬の季語。病院は山手線のすぐ近く)

今朝は8時半に眼帯を取って検査を受けて、
「退院していいです」と。

いやー、
実に良く見えます。

手術前の右目の見え具合が20%とすると、
手術後は95%。
手術をしていない左目は85%。
(何をもって100%とするかは?ですが)

短い入院でしたが、
酒を飲まない夜の充実を再確認したり、
良い時間でした。
今夜はもう飲んでいますが…。

第74回の「ごくごく会」の報告

第74回の「ごくごく会」は、
9月12日の土曜日にいつもの高田馬場で開催。

碁の参加は今回も4人。
成績は2勝1敗だったけれど、
ポカがあったものの一番勝ちたかった相手に負けたのが悔しい。
勝った相手も6子も7子も置かないで、
3~4子くらいには上達してほしい。
そのほうがもっと楽しくなるはず。

句会からの参加は2人で計6名。
投句も6名で選句は9名。

今回の兼題は、
秋色(秋の光)、玉蜀黍、蜻蛉(やんま、あきつ)、海(無季)。

今回の特選は下記。

義人

 その目玉天動説だろ鬼ヤンマ


とほほ

 蜻蛉とり共に危惧種と成り果てぬ

 霧時雨信に背いた空と海


春也

 耳澄ませ烏賊釣り船や銀の海

 薄雲を刺し通しけり虹の橋



私の句は下記。

 あきつしま邦はいずこに鬼ヤンマ

 晩学に秋色爪弾くギターかな

 黍畑いつ背が越えるガキ大将

 古希の子を寿ぐ老母白露かな
          
 二百二十日海も天地も鎮まれや


1句目を一人から特選に選んでいただいた。

蛇足:
1句目「あきつしま…」。
あきつしま(秋津島、秋津州)は日本の本州の古代の呼称。
鬼ヤンマのオスは一定地域を往復飛翔する習性があり、
子どもの頃に自宅の前の道の上を飛ぶ鬼ヤンマを追いかけたものだ。
蜻蛉(トンボ)は「あきつ」とも。
「あきつ」の語呂合わせ。
日本の上を行きつ戻りつする鬼ヤンマが、
憲法違反の法律を裁決するする日本はどこに向かうのかと憂いているのでは。

2句目「晩学に…」。
古希を迎える間近にギターを習いだした(息子には内緒だが)。
さてどんな音色を爪弾けるか。

3句目「黍畑…」。
子どもの頃、
自宅の隣の土地を借りて父が家庭栽培をしていた。
かなりの広さで季節季節のいろんな野菜を植えて、
夏には畑の周りを玉蜀黍が囲んでいた。
夏休みには水をやるのが私の仕事で、
日々、植物の成長を見ながら育ったものだ。

4句目「古希の子を…」。
私の古希の誕生日は9月8日。
「白露」は二十四(節)気の一で陽暦9月8日ごろ。
秋の気配が見え始める時分の意。
91歳の母が私の古希を祝ってくれた。

5句目「二百二十日…」。
近年はいろんな災害が頻発する。
二百二十日は二百十日(台風襲来の特異日)の10日後で平年なら9月11日。
2001の9月11日はアメリカの同時多発テロ事件、
2011年3月11日は東日本大震災。
11はサッカーのイレブンが最良。

第73回「ごくごく会」の報告

70、71、72回とサボって、
久々に句会の報告。

第73回の「ごくごく会」は、
7月18日の土曜日にいつもの高田馬場で開催。

碁の参加はこのところずっと4人と寂しいことに。
しかも7子と8子を置かせるのがいるので、
碁敵(ごがたき)としては物足りない。
「負けると悔しいし、勝っても嬉しくない」と、
悪態をついている。

句会からの参加も1人で計5名とこちらも寂しい。
投句は6名。

今回の兼題は、
夏の露(露涼し)、紙魚(しみ)、玉葱、味(無季)。

今回の特選は下記。

天楽

 白滝の苔の味かぐ鮎の肝

 玉葱をさくりと切りて寂しかり

 紙魚なれど太りておれば友ならん

義人

 ふるさとの夕映千年夏景色

とほほ

 クモの巣の罠にかかった夏の露


私の句は下記。

 ガリ版の古き詩集や紙魚と友

 味気無きメールの列や梅雨の雲

 晩学の本をひもとく露涼し

 玉葱剝く反省未だ足らざりて          
 
 玉葱や脇役にして卓の主


1句目を2人から特選に選んでいただいた。
凡作ではあるが。

蛇足:
1句目「ガリ版の…」。
ガリ版は謄写版のこと。
家にその器具があったので、
中学生時代に友人に声をかけて文集や作りだした。
途中から主に2人で詩集を出すようになった。

だいたい年に2回発行し、
年末になると、
「餅代を稼ごう」と、
学校の友人たちに50円で売ったものだ。
100冊ほどは売れたので、
50年前としてはいい小遣いになった。
10号まで続けたが、
今は棚のどこかに埋もれている。

2句目「味気無き…」。
いくつかのSNSに参加しているが、
他人にはどうでもいいような自己満足の書き込みが多い。
(この投稿もそれのうちだろうけど)
対して批判的なことを書くのはルール違反のようだ。
(むきになって怒る人がいる)
私に対してのものはちゃんと受け止めるつもりだが。

3句目「晩学の…」。
1か月ほど前から新しいことに取り組みだした。
少しは成果が出てくるようになれば、
改めてご報告を。


第69回の「ごくごく会」

第69回の「ごくごく会」の報告。
1月10日の土曜日にいつもの高田馬場で開催。

碁の会は今回は6人の参加。
久しぶりの相手との2局は、
いずれも私の勝手読みのせいで連敗。
5子を置かせた3人目とは、
得意の下手(したて)殺しで圧勝。

句会はもう一人が参加して7名に。
投句は8名。

今回の兼題は、
当初は雪時雨、寒鮒、焼芋、毒(無季)の4題だったが、
あとで追悼句を追加。
そのことについては別稿で。

今回の特選は下記。

天楽

 毒ならば頬に紅させ水仙花

 寒鮒を太らせて喰う比良おろし

義人

 昭和かな焼芋の香ぞ描く街

とほほ

 焼芋界強弱十五湯気を立て

 新春の夢に押し寄る毒のタコ

「とほほワールド」は常人にはなかなか理解ができない。

敦子

 雪時雨なれば舞台の絵のごとく

 三が日お節眺めて箸あそび


私の句は下記。

 終電客も一つおまけ石焼き芋

 天地や宗教は毒寒に入る

 寒鮒や国破れても山河あれ

 トラウマ学悲嘆学とや雪時雨


追悼句は通常の5句の中に含めるつもりだったが、
5句以外と受け止める者もいて、
投句の数が6とか7になったりしたが、
正月でもありおまけにした。

蛇足:
1句目「終電客…」。
都内の事務所で仕事をしていた頃、
終電駅でタクシーを待つ長い行列に並んでいたところ、
軽トラックの焼き芋屋のオヤジから話しかけられ、
「どこまで帰るのか」と聞かれて、
「どこそこまで」と答えたら、
「店終いをしてこれから帰る途中の道だから乗っていけ」とトラックに乗せてもらった。
車中での話では、
夏は植木屋をしていて冬は焼き芋屋になると言う。
乗るのはタダでいいと言われたが、
「それでは」と売れ残った芋をと千円札を出したら、
2千円分くらいの芋をもらった。
家に着いて妻に「はいこれ」と渡したら、
「どうしたの?!」と。
そんなことが何度かあった。
あのオヤジはどうしているか。

2句目「天地(あめつち)や…」。
今回のフランスの週間新聞社へのテロ事件。
人を救うはずの宗教のせいでどれだけの人が死んだか。
神々はそれを望んでいないはずだが。

3句目「寒鮒や…」。
「国破れて」は、
杜甫の有名な詩「春望(しゅんぼう)」。
 国破山河在
 城春草木深
 感時花濺涙
 恨別鳥心驚
 烽火連三月
 家書抵萬金
 白頭掻更短
 渾欲不勝簪

 意味:
  国は滅亡してしまったけれど、山や川は元の姿のまま存在している。
  (戦争で壊れてしまった)町には春が来て、草木が青々と茂っている。
  戦争の絶えない時代を感じては、花にさえも涙を流し
  (家族との)別れを悲しんでは、鳥にさえも心を乱される。
  戦争は3ヶ月の間絶え間なく続き
  家族からの手紙はお金に代えられない大きな価値を持つ。
  白髪だらけの頭を掻けば髪の毛はさらに短くなり
  もうかんざしを挿すのも無理になりそうだ。

中学生の頃、
音楽の時間にこの詩の歌を歌ったものだ。
「国破れて山河在り、城春にして草木深し…」。
政府や体制は倒れても、
山河があればまた春は来る。

なぜ「鮒か」はもちろん、
唱歌「ふるさと」の
「兎追いしかの山 小鮒釣りしかの川…」。

4句目「トラウマ学…」。
阪神大震災から20年。
新聞紙上に、
「トラウマ学」や「悲嘆学」の学者のコメントが載っていた。
心理学や社会学の一部門だろうが、
そのような専門学があるとは知らなかった。
やはり生き難い世の中なのか。

第68回の「ごくごく会」の報告

第68回の「ごくごく会」の報告。
12月6日の土曜日にいつもの高田馬場で開催。

碁の参加は今回も4人と寂しいことに。
しかも、到着時間がまばらで、
同じ相手と2局打つことになって1勝1敗。

句会からの参加が1人で最近では一番少ない5名。
投句も5名。
少人数の忘年句会となったが、
そのぶん、
みんなの話をいろいろ聞けて内容はつまっていた。


今回の兼題は、
冬晴(冬日和、冬麗)、冬芽、鮟鱇、面(無季)。

今回の特選は下記。

天楽

 たそがれて濃きも淡きも寒牡丹

 霜の置くイコンを笑う癋見面

天楽くんの1句目は二人からの特選。
2句目の癋見面(べしみめん)は能面の一つ。
白髪・白髭の老人が口を「へ」の字に結んでいる。

義人

 鮟鱇や底の海知る姿かな

とほほ

 冬晴に光自由に空を飛び


私の句は下記。

 冬日和猫のいびきのかすかかな

 冬うららされど碁敵面憎し

 面食いにあらずと気取り鮟鱇鍋

 鮟鱇や悪口雑言しゃらくさい

 あすなろと鴻鵠想う冬芽かな

蛇足:
1句目「冬日和…」。
7匹いた我が家の猫で最後に残った雄猫ウルル(妻は「タロー」と呼んでいる)は最近、
妻の留守のときは私の部屋に来てベッドの上で日向ぼっこをしながら眠りこけていることが多くなった。
やはり1匹だけでは寂しいとみえる。

2句目「冬うらら…」。
有名な古川柳に、
「碁敵は憎さも憎し懐かしし」。

3句目・4句目
鮟鱇のあの面構え。

5句目「あすなろと…」。
「あすなろ」は「翌檜」と書く。
松尾芭蕉『笈日記』に、
「あすは檜の木とかや、谷の老木のいへる事あり。昨日は夢と過ぎて、明日はいまだ来らず。ただ生前一樽の楽しみの外に、明日は明日はと言ひ暮して、終に賢者のそしりをうけぬ」と。
「鴻鵠」は、
「史記」陳渉世家に、
「燕雀(えんじゃく)安(いずく)んぞ鴻鵠(こうこく)の志(こころざし)を知らんや」と。
枯れたように見える木々も来るべき春に備えて芽を用意して越冬する。
それが「冬芽」。
ちょっとディレッタント?


報告をサボった67回の「ごくごく会」(10月25日)は、
私の句だけを掲出。
兼題は、
夜寒、甘藷(薩摩芋)、狷介忌(十月十八日)、捨(無季)。
(「狷介忌」は3年前に死去した俳友の忌日)

 父の播きし甘藷の泥をぬぐいおり

 捨てるすべ極意聞かせよ狷介忌

 もう一献所望を惑う夜寒かな

 それぞれの覚悟は黙し狷介忌

 歳若き友を見送る夜寒かな
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