まず、どこの病院で治療するかを検討した。

現在住んでいる地域は単身赴任で来ている地域なので、入院手術となると、家族の負担が非常に大きい。

また、自宅のある所に転勤で戻った場合、5年間の通院も課題の一つだ。

やはり、自宅のある東京で治療するのが、いいという結論を出した。

そして病院は、たまたま勤務先の紹介で、大学附属病院を紹介され、そちらでお世話になることとした。

紹介されたのは、口腔外科であった。

そして、治療方法を検討

粒子線は、保険がきかず、費用は約300万円

且つ必要が無いと言われた。

小線源治療は福島原発の事故以来やっている病院が少ない。

たまたまこの病院は、小線源治療を行っている。

切除が極めて一般的な方法。

5年生存率は、切除・小線源とも差異はほぼ無い様だ。

やはり、QOLを考えて小線源治療を選択した。

イリジウムの針を舌に刺し、72時間程埋め込んで放射線で癌細胞を消滅させる方法だ。

この間は、個室でこもりっきりだ。

時間は、針の持っているエネルギー量、癌の大きさ等によって変わるらしい。

 

造影剤CTを撮り、PET-CTを撮り癌の特定と転移の有無を確認しました。

併せて、治療方法について学習。

とてもとても暑い日に結果を聞きに行った。

診断結果は、「舌癌で間違いありません」

「ステージは?」

「大きさが2センチを超えているのでステージⅡですね。」

「転移は無いようです。」

意外とあっさり告知された。

T2N0という事になる。

「この病院での治療方法は?」

「切除をお勧めします。」

「切除以外の方法は無いですか?」

「以前は小線源治療をやっていましたが現在はやっていません。」

「早めに入院に必要な検査をして、切除をした方がいいと思います。」

「私は単身赴任でこの地方に来ているので、自宅のある地域での入院・治療も検討したいです。それと小線源治療とか粒子線治療とかも検討して決めたいと思います。」

先生の顔が曇る・・・

「粒子線治療のセカンドオピニオンを受けたいと思いますが、データの提供をして貰えますか?」

渋々了解してもらう。

セカンドオピニオンで粒子線治療を行っている病院に予約を入れてもらい、有名な先生のいる病院へ行った。

有名な先生の見立てでは、「こんなの切ったほうが良い。放射線とか、粒子線とかは体力が無くなった時の手段のように考えたほうが良いと思う。」とあっさり言われる。

仕事の都合で活舌が悪くなるのを避けたいと思っていた自分は

「そっかえーん」と心の中で呟いた。

 

病院の受付で手続きをしていると、最初に小冊子を貰った。

本のタイトルは「癌と診断されたら」

受け取った瞬間「えっ!」と声が漏れそうになる。

 

何となく想像はしていたけれど、現実として突きつけられる。

 

未だ診察もしていないのにびっくり

 

後で調べてみると、その病院はほぼガン専門の病院だった。

 

耳鼻科で待つこと1時間以上、やっとよばれて診察室へ

 

診察台に座り、先生に状況を説明

「ふむふむ。」と先生が怪訝そうにのぞき込む

正面の遠くのほうから、ナースが興味深げに覗き込む。

 

舌癌は、珍しいのかな?

 

それでは、組織を調べるんで一寸取りますねと言われ

ペンチの様なもので、いきなり白くなっている部分を少し千切り取った。

麻酔も何もなしでいきなりかよ・・・とにかく痛かったえーん

取り終わると、脱脂綿を詰め込み、血が止まるまで噛んでて下さい

その間にいろいろ検査しましょうと言われ、血液検査、レントゲン等を行った。

30分経っても血が止まらない・・・

組織を調べてみないと確定できませんが、おそらく舌癌で間違いないでしょうとの診断。

CT、PET-CTの予約をいれ、解放された。