OVA「機動戦士ガンダム ジ・オリジン」は、MS-06「ザクⅡ」に連なるモビルスーツ前史も魅力だ。
MW-01
モビルスーツの始祖となるモビルワーカーMW-01は、ジオン自治共和国が地球連邦に「月面開発のための作業機械」と偽装して開発した実験機という設定で、ムック「ガンダム・センチュリー」に初出のZI-XA3「クラブマン」の設定と似ている。
前史とか大好きなので、まだ洗練されていないゴリラのような姿形に鼻の穴が膨らむ。
MW-01はこの「後期型」しかキット化されていない。デザインが大きく変わり洗練された印象の「最後期型」(原作漫画での名称はMS-02)もキット化してほしい。

MW-01後期型
YMS-03
YMS-03は、核融合炉の小型化により実用化を果たした初の戦闘用モビルスーツだ。ただし、原作でもOVAでもイメージのみの登場であることから、性能実証機として役割を終えた可能性がある(スピンオフのコミックの中にはYMS-03が実戦に参加しているものもある)。もっと活躍してほしかった。

YMS-03
OVAではYMS-03に「ヴァッフ」という別称が付けられている。ドイツ語で「武器」を意味する「Waffe」(ヴァッフェ)に由来するようだが、部内での呼称にしても兵器を連想させるネーミングは開戦の強い意志を気取られるおそれがあり、第一次世界大戦時にイギリス軍が秘密兵器を「タンク」と呼んだ歴史に倣えば、MW-01と同様に偽装には細心の注意が払われた気がする。
YMS-03の完成時期は、ギレン・ザビの「いつ完成する」という問いに対しミノフスキー博士が「今年度中には必ず」と答えているので、宇宙世紀74~75年と考えるのが自然だが、76年のガルマ・ザビの回想に組立中のYMS-03が出てくるので不明だ。
MS-04「ブグ」
ブグは、YMS-03のデータを元に開発された初の実戦用モビルスーツだ。
優れた性能を有していたが、生産コストなどの問題で本格的量産はMS-05「ザク」に譲る形になったという。この点、ガンダムとジムの関係に似ている。
OVAにはランバ・ラル大尉のパーソナルカラーである青色に塗装された機体が登場するが、一般機をイメージしてザクⅠに準じた塗装に変えてみた。

MS-04「ブグ」
「ジ・オリジン」では、当初からパーソナルカラーで塗装されたモビルスーツが登場する。
エースパイロットが自分の機体をパーソナルカラーで塗装するという設定は、第一次世界大戦時のドイツ軍のマンフレート・フォン・リヒトホーフェン(レッドバロン)など史実に基づいたものらしいが、フォン・リヒトホーフェンが機体を赤く塗ったのは武勲を立てて中隊長に昇任してからだった。
シャア・アズナブルは本編であるTVアニメ「機動戦士ガンダム」に登場した時には既に地球連邦軍に「赤い彗星」と呼ばれ恐れられているので、開戦当初の一週間戦争と1~2日間のルウム戦役だけで異名が知れ渡るのは不自然という判断かも知れない。
フォン・リヒトホーフェンも短期間で敵国に名が知られるようになったが、敗色濃いドイツが国内向けのプロパガンダに使ったためだった。
MS-05「ザク」
MS-05「ザク」(旧ザク)は、史上初の量産型モビルスーツとしてジオン独立戦争の緒戦で目覚ましい活躍を見せたとされるが、本編冒頭の「コロニー落とし」(開戦2日目の「ブリティッシュ作戦」)には改良型であるMS-06「ザクⅡ」が多数参加しているので、開戦前には既に旧式化していたことになる。
それはさておき、決戦兵器のイメージでMS-05を装備満載にしてみた。「旧ザクだって最強の時期があったんだ」と思うと、くたびれたおじさんもなんだか慰められる。

MS-05「ザク」
「ジ・オリジン」でもMS-04とMS-05の開発時期ははっきりしないが、YMS-03の完成から「スミス海の戦い」(宇宙世紀78年)に両機が実戦参加するまでの間であることは間違いないので、MS-06の完成・量産化は、さらにその後の開戦間近ということになる。
自宅の塗装環境を失ってしまったので、ほぼ素組みのまま。