毎度のこととはいえ、データAがこう動く、よってデータBはこう動く、という予想は、ある意味2つの事を予想しているので、難しいといえば難しいですね。結局、データAが予想通り動いたところでデータBが連動するとは限らないわけです。


先週書いた予想としては、米国10年債利回りが上昇に転じて株価が軟調、という見立てだったわけですが、米国10年債は下げ止まったように見えますが、はっきりと反転したとは言いにくい、というところ。一方、日経平均は上値を抜けずに下落、という動きとなりました。NYダウが年初来高値圏で推移しているにもかかわらずです。


米国金利がどうのこうの等と言わず、チャートだけからの予想の方が当たっているわけで、高値抵抗線を抜けずに下落した、ということですね。そういう意味では、日経平均はもう少し下落するかもしれませんが、基本的には1月に高値を抜けていくという予想は変えておらず、上昇前の動きに過ぎない、と見ています。


 ファンダメンタルズ面から説明するならば、円高に振れてデフレ逆戻りが意識されて株価が売られた、ということだろうと思います。ドル建て日経平均で見れば高値横ばい、と言うこともできますが、日本円で投資している立場にしてみればそんなことは関係ありませんね。


 ただ、個人的に気に入らないのは、中小型内需株の一部が売られていることです。ここにきて一段と値下がりし、ものによっては年初来安値を更新しています。要は、私の少しずつ持っている銘柄が下がっている、ということですが、面白くないですね、これは。まあ、銘柄選びに失敗したというか、業績がいま一つさえないので仕方がないところはあります。事業環境としては市場が拡大している中で、利益を出し切れずにいるという点は、経営者に対して、何してんねん!と突っ込みたいところです。


 といった個別の事情はいったんおきまして、乱高下した為替ですが、ドル円は動く時は結構動きます。チャート的には、151円というのが昨年の高値(ここではドルの高値を高値ということにします)で、それを抜き切れないところからの急落、ということになっています。昨年私は10月にNYに行きましたが、換算レートが最も円安のところでした。今年は9月に行きましたが、こちらもほぼほぼ最も円安のところ。そんな話はいいとして、昨年は1021日に天井をつけて底値が今年の120でした。ちょうど3ヵ月で、151円から127円まで約24円、円安が進みました。とりあえず今年もそれくらいはあるかも、というパターンで言いますと、2月中旬に130円割れ、というところでしょうか。同じことを考える人は多くいると思いますし、今年も抜けきらなかったことでチャート上は2番天井のような格好となりますし、ひとまず151円を超える円安はちょっとハードルが高そう、というのは誰しも思っていると思います。


 一方、足元の急速な円高が日銀総裁の「チャレンジ」というセリフにあるという解説がもっぱらですが、そこは日銀のコミュニケーションの失敗というよりは、いったん円を買い戻ししたい人がたくさんいたんだな、ということだろうと思います。日銀は2%の安定的な物価上昇を目標にしているので、で、それは相当ハードルの高い話なので、そう簡単に金融緩和をやめるはずがないと思います。先々の思惑で相場を張る人が多いようですが、そう簡単に実現しない話に早々と乗っかったところで、他の投資家は離れていくと思います。要するに、日銀の政策変更は、微修正はあるかもしれませんが金融引き締めとなるような政策変更をする可能性はかなり低く、それを見越した円高は継続しない、ということでいいと思います。


 一方、米国の高いインフレ率も継続しない可能性が高いとはいえ、水準としては当面高めで推移することが見込まれますので、米金利の上昇は限定的と言えるものの、どんどん下がるには時期尚早、ということかと思います。よって、米10年債利回りは4.34.8%程度のボックス推移と予想しているわけです。足元で4.1%台まで下がりましたが、誤差の範囲ということで、さらに下がっていくということはないという予想は変わりません。逆にここからは若干上昇すると思いますが、それも5%を超えてどんどん上がる、ということではないという見方も変わりません。