アイアンセットのフルチューンナップ
ゴルフクラブはヘッドとシャフトとグリップが固着されていれば球は打てます。
何処へ飛ぼうが、いくら飛ぼうが、飛ばなかろうが、振りにくかろうが、打ちにくかろうが、何でも良いなら。
クラブの姿にさえなっていて、長さと反発係数とヘッド慣性モーメントがルール規定内でライ角が80度未満なら競技で使えます(ざっと言えば)。
ルールにはスイングバランスの規定も無いし、ライ角やロフト角が番手間で逆転していても、長さのピッチがどうであっても規定はありません。
でも、ゴルフとはクラブを振ってヘッドで球を打ち、出来るだけ正確に方向と距離を出して最小打数でホールアウトすることを競うゲームであり、
どんな重さ、硬さ、ライ角、スイングバランスが最もタイミング良く振りやすく打ちやすいのか、つまり最も適切な「道具としてのクラブ」のスペックは何か、も人によって違うわけですから
そこで初めてクラブフィッティングという考え方が出てくるんですが
問題はフィッティングして出した答の数値通りに、正しい手法で組み立てられているか、という事です。
このブルーのグリップのセットは男性のお客様のクラブで、一旦分解し、ネックの中に仕込まれたバランス合わせのための重量物(バランサー)を除去してシャフトの入り方を真っ直ぐに揃えて組み立て直し、ロフトは設計値に合わせ、ライ角はこの方の体格とスイングプレーンに合うようネックを曲げて調整し、然るべきスイングバランスになるようスイートスポットの真裏側に鉛調整をする、という作業(フルチューンナップ)を施した物です。

ヘッドの裏側はこんな感じ。平均2.5~3.0pt分貼り込んであります。

更に、これが師匠から直伝で師匠店•門下店の最も特徴的な仕事の「スパインアラインメント」を施した結果。
時々雑誌やネットでスパイン調整という話が出ますが、私達のそれは独特の理論と手法で全く異なります。
他店の事は比べる訳でも無く調査したことも無いですから知りませんが、プロ、アマを問わず結果は出ている手法と言って差し支え無いと思います。
このシャフトやモーダスのように大きなペイントやステンシルを施したシャフトが多くなっていますが、クラブに対する美意識は人それぞれですので当店の作業を押し付ける気は更々ありません。
ただ、シャフトのロゴが綺麗に真裏に揃っていると言うことはシャフトの挙動の規則性がバラバラだと言うことですし、球筋がバラバラだと言うこと。
せっかくカッコ良いヘッドが鉛だらけは嫌、ならネックにごっちゃり重量物を詰められてヘッドの芯がズレたまま、シャフトの重量感や硬度感の感じ方もバラバラのままで使う事になる。
それだけの事です。
いつもアドレスでヘッドの裏側見ぃへんやろ?とは言ってますけど。
メーカー品のクラブはヘッドの設計、デザインはとても優れています。コンポーネントパーツメーカーさんにはもっと見倣って欲しいとさえ思うことがあります。
ただ、量産品の悲しさでスペックのバラツキには一定の許容範囲を設けなければどんどん作れないし、ブランド品の宿命で傷ひとつ無い綺麗な状態で棚に並べなければならないとなればネックをひねってロフト•ライを合わす訳にも行かないので、こういうバラついた状態で、言い換えれば「クラブの姿になっただけ」の形で販売せざるを得ません。
ホームセンターで安く売られている包丁と同じ。
ゴルフ場で良い結果の得られる「道具」に仕上げるにはやはり「研ぎ」を入れてやらないと魚もショットも切れないでしょう。



