クラブ職人の徒然草~2 -174ページ目

三浦技研TC-101 電動在庫入荷!



ずっとメーカー品切れ状態が続いており、入荷まで2ヶ月と言われていたTC-101。

三浦技研社の態勢改革などの努力もされたようで予定より約1ヶ月早く上がって来ました。

4番〜PWが1セット、5番〜PWが1セット。
当工房ではTC-101とのセットで人気の高いウェッジMG-R01も50、52、56、58とロフトが揃いました。

ご来店お待ちしております。

ARTISANウェッジ メッキバージョン試打クラブ


タイガーウッズも絶大な信頼を寄せていたというマイク・テーラー氏が削った元型をスキャンしてコンピューター切削で削り出したという

ARTISAN(アーティザン)

ソール形状のバリエーションが豊富(ロフトにより有無がありますが)です。

当店にも全ソールモデルを試して頂ける試打クラブをご用意してあります。

最初はノンメッキバージョンしか無くて、その後黒染めバージョンとクロムメッキバージョンが出たんですが、

最初はノンメッキでしっかり必要重量が出ている物(元型をNC削り出しなので当然ですが)にメッキを駆けたもんだから重い重い!

で最近はメッキで主さが乗る分を計算して作ってるので適切な重さになってます。
という担当さんの言葉を受けてSWで人気の高い(または店主がお勧めしたい)ソールモデル2機種のメッキ版の試打クラブを作りました。

軟鉄のヘッドはクロムメッキよりノンメッキの方が打球感が柔らかいと思われがちですがクロムメッキの下地メッキ(ニッケルや銅)の作用で案外逆に感じる方も多いです。

僕もその一人です。

選んだソールはSBとR。いずれも芝面からの抜けの寛容性が高いモデルです。

ラウンドへのお貸し出しも致しますので是非お試し下さい。

ゴールを決めたクラブ作り

私共のようなゴルフ工房は「誰か」からオーダーを頂いて「その方のための」クラブを作ります。

一般のブランド既製品と最も大きく異なる点の一つです。

例えば今承っているUTのリシャフト
先ずシャフト選定の為の試打テストによるフィッティングを受けて頂き、

ご本人の感覚、当方の見立て、結果を踏まえてシャフトを決めます。

次に使用するよう指定されたヘッドの角度スペックを実測。

「その方」の体格に鑑みて「このロフトならこの長さ。ならばライ角はこのくらいに。」
因みに番手が何番だから何インチ、という決め方はしません。
ロフトとクラブ長さとは密接な関係性があり、「ロフトに応じた適切な長さ」というものがあります。
もちろん、この話はシャフトが適切に選定されている事が大前提です。

ネックに真っ直ぐ挿してそのライ角が得られれば問題なしですが、そうでない場合の方が多いかもしれません。
その場合はネックのホーゼル孔を切削し、シャフトの振りシロを作って装着します。
もちろん、ネックはそんなに肉厚がありませんから安全面からも物理的な限界はあります。

使うシャフト、グリップ、下巻きの重ね数が決まり、クラブ長さが決まり、シャフトの重さ・硬さ等に鑑みてスイングバランスを決めたら必要なヘッド重量が決まります。

その重量にするのに現状より重くするのか軽くするのか。

ヘッドの中には重量調整と音鳴り止めの為に「グルー」と呼ばれる半固体の粘着材が入っていますが、大抵の場合ヘッド底のどの位置に入っているかが分からないのと、グルー自体が柔らか過ぎてその上から当工房が使っているグルーを入れると使っているうちに動いてしまう危険性もあるので、先ずはこれを溶剤を使って溶かし出します。
溶剤を中に入れて丸一晩寝かせるという作業です。
一旦溶かし出した後、異なる溶剤でヘッド内部を洗い、最後にしっかり乾燥させる、という中々手間と時間の掛かる作業なんです。

このヘッドの場合
外した時点で237.5gが

231.9g。5.6gのグルーが入っていたわけです。

これだけの重さならヘッドのどの位置に落ちているかでヘッドの挙動性質はかなり変わってしまいます。

ここまでやらないとこのヘッドが何gのヘッドなのか分かりませんし、何インチでスイングバランスいくつ、と決めたスペックに対して加重すればOKなのか、まだ重すぎる為にもう少し大きなスイングバランスで使うのか、もう少し短くするのか、という最終的な判断も下せません。

ウエイトビス等で重量調整が可能な場合はそれもやり、最後はそのビスをギリギリまで切削する、なんてこともあります。

滅多にありませんが、「なんでこんな重量のヘッドに作ったの⁉️」というのが市販品にはありました。

そういう場合はヘッドの交換もご提案する事があります。

正直なところ、工房専門店や工房併設のショップでリシャフトした、というクラブの再リシャフトや調整を承って分解すると、ヘッドの重量管理は全く為されて無いケースが多々あります。
そのため、やたら長い物、やたらスインぐバランスの大きい物、やたら短い物、はしょっちゅうです。

オーダークラブは使う方が分かっていて作るのですから「こういうスペックに」というゴールが決まっていて当たり前。
決めた通りに作り上げて当たり前。

プロのゴルフ工房なんですから。

ゴルフクラブは見ただけではほとんど何も分かりません。
でも各スペックを測るとかなり色んな事が分かります。
分解するとほぼ全てが分かります。
このクラブを作った人の技量、知識量、工房の設備の程度、そしてその人の物の考え方や品性や性格まで。