今終わったW杯のオランダ対コスタリカを見ていました。
この両チームは、大会が始まった時から
面白いシステムを組むチームとして
注目していました。
まさか、ベスト8で当たるとは・・・。
ディフェンダーを5人並べた同じ5バックを
敷くので驚いて見ていましたし、
この5バック同士が対戦すると、どんな
試合になるのか、興味津々でした。
見どころが満載!!予想通りの
屈指の好ゲーム、激闘でした。
同じ5バックだから、コスタリカは
オランダの良さを消せる・・・と
思ってみていましたが、その通り
となり延長戦へ。
初戦で5バックで戦い、4バックの
スペインを撃破。両サイドの
アタッカーが、スペースを突く
縦パスを供給しロッペンとファンペルシーが
得点を積み上げて大勝利。
しかし、このゲームは、この良さが
消されました。
両サイドから攻めようにも、
押し上げる5バックに、
オフサイドを再三取られるわ、
サイド攻撃も縦パスもままならず、
ロッペンの高速ドリブルと
強引なシュートに頼るのみ。
シュートを放っても、5バックの
厚い壁をこじあけられず、
得点にいたらず。
しかも、
コスタリカは、5バックの後方に
守護神、ナバスが控えています。
小柄ですが、俊敏な動きとジャンプ力を
生かして、次々とオランダのシュートを
防ぐ。まさに、6人の壁が
立ちふさがっていました。
ナバスは、ドイツのノイヤーや
チェコのチェフなど、190センチを超える
大男の名GKとは違い、リーチがない分、
上下左右に俊敏に動き、手でも足でも
瞬時に球を防げる反射のいいキーパー。
同じ中米のメキシコにカンポスという
名キーパーがいましたが、似ていますね。
それにしても、今大会は、キーパーの
堅守が目立ちます。
それは、ともかくとして、オランダとしては、
案の定、ゼロ行進を続ける試合展開。
しかし、オランダのファンハール監督は、
このW杯での試合展開用に奥の手を
用意していたのです。
これは、コスタリカの快進撃に
まさるとも劣らないサプライズでした。
それは、PK戦を想定した、控えの
GKの投入でした。
相手のPKを止めるための職人を
正ゴールキーパーに替えて
出してきたのです。
シレッセン(正)からクルル(職人)へ。
この起用が見事に的中したのには、
2度びっくり。
確かに、優勝を狙うチームは、必ず
負傷者やイエロー2枚で欠場者を
出したり、何度かPK戦を乗り越えなければ
ならないほどの長期の苦しい戦いを
強いられます。
その苦い(?)経験から用意した
隠し玉?
結果がでたので、あっぱれです。
オランダは失敗なしのPKで
準決勝へ進みました。
それにしても、両チームが
5バックを機能させていたのにも
驚きです。
5バックは、ミッドフィルダーの
人数がひとり減る分、ディフェンスラインから
ミッドフィルダーまでコンパクトに
しないと、相手にパスを通され
押し込まれるリスクがあります。
中盤のスペースが空くからです。
この弱点を、W杯直前の強化試合で
わが日本に突かれ、コスタリカは
1対3で逆転負けしています。
この教訓からか、コスタリカは、
ナバスの堅守はもちろん、5人の
DFがいっせいに並んで押し上げる。
これで、先にも書きましたが、
オランダのチャンスを
オフサイドをとることで、
ことごとく潰していました。
守りでは、完全にコスタリカに
罠にはまってしまったオランダ
でした。
でも、最後のPK戦での
サプライズが勝敗を決めました。
この両チームの激闘は、
見どころ満載、脱帽です。
点は入らなかったのですが、
個人的には、これまでの
ベストゲームだと感じました。
日本に敗れた、あのコスタリカが
ここまで進撃を続けるとは、
誰が予想したでしょうか?
逆にいえば、日本代表も
そんなに悲観することはないと
思います。楽観はできませんが、
何かが少し足りず本戦で
かみ合わなかったのではないかと
思います。
何かをきっかけに
かみ合ってくれば、次回は
ベスト8も夢ではないと
思います。
ザックロー二が残してくれた
遺産を無駄にせず、これからも
生かしてさらに進化できれば
いいですね。