狐假虎威」の成語についての物語

むかしむかし、ある山の洞穴に、トラがいました。

ある日のこと。

お腹がすきましたから、トラは外に食べ物を探しに行きました。うっそうとした森林を回ると、キツネが散歩しているのを見て、千載一遇の好機だと思いました。そして、あまり骨を折らずに、キツネを捕まえることができました。

ところが、口を大きく開け、キツネを食べるところで、「ちょっと待って!」とキツネに言われました。

「へん、自分が百獣の王で、俺に食べられると思わないで!俺がもう天に王の中の王になることを命令され、誰でも俺を食べると、必ず天からの制裁と罰を受けさせられるんだぞ!」

キツネにそういう話を半信半疑で聞かせられましたが、キツネの自信満々で落ち着いている様子を見て、トラが驚きました。そして、すっかり委縮してしまいました。

キツネはトラが食べる度胸が無くなったと思い、トラが自分の話を信じたのが分りました。すると、もっと得意満面で胸を張って、トラの鼻を指して、

「何?俺の話を信じない?じゃ、俺について来い!俺の後ろで、すべての野獣が俺を見て、びっくりして肝がつぶれ、慌てふためいて逃げまわるかどうか見せる。」

悪くないアイディアだと思って、トラはキツネの話を従って行きました。

そこで、キツネはいばりくさって、前を歩いていて、トラはきわめて慎重に後ろについていきました。

すぐに、たくさんの動物が食べ物を探しているのを見ました。

しかし、小さな動物はキツネの後ろにいるトラを見ると、驚きのあまり真っ青になり、全身がぶるぶる震えて、クモの子を散らすように逃げました。

そこで、トラはキツネに得意な顔で見られていて、驚いて怖じ気づきました。実は自分が野獣に怖がられていることがずっと分からなくて、野獣はキツネを怖がっていると思いました。

それで、「狐假虎威」という成語が出来たのでした。この成語は「虎の威を借る狐」という日本語に翻訳され、他人の権勢を借りていばることを意味するようになったのです。