神瞳タイガーアイ 【NaFe(SiO3)2+α】

 

 

南アフリカトランスヴァール省、ブラジル、中国河南省の気成熱水鉱床、ペグマタイト脈岩に産し、青灰色リーベック線閃石、クロシドライト(青石綿)に石英侵食の見られる硬化石。

 

クロシドライトは石綿類中最強の毒性を誇り、

1986年には国際労働機関 (ILO) が使用禁止条約を採択。

世界保健機関(WHO) も1989年に使用禁止を勧告。

日本では1995年から使用・製造ともに禁止されている。

 

 

即ち、タイガーアイは石英による猛毒の封印石であり、

滅多に壊れる代物ではないが、封の綻びによる発癌性は強烈である。

 

 

 

 

毒を秘める美しさに魅了されるのは人類古来よりの習わしなのかもしれない。

 

磨き上げた表面には「シャトヤンシー」や「キャッツアイ効果」と呼ばれる光の帯が見られ、

 

古来より

エジプトの神々の眼、

インドでは最も貴重な宝石、

ローマでは霊力を授かる護符、

ヨーロッパでは金運をもたらす石

として重宝されてきた。

 

酸化度に応じた色彩も豊かで、

空気に触れず酸化されなかった灰青色のものをホークスアイ(鷹眼石)

黄色に変化する途中の灰緑色のものをウルフズアイ(狼眼石)

鉄分が酸化して黄色く変化したタイガーアイ(虎眼石) 

人工的に加熱して赤く変化させたものをレッドタイガーアイ(赤虎眼石)

さらには脱色工程を施したゴールドタイガーアイ、

色素加工されたピンクタイガーアイなども作成されている。

 

 

 

 

 

 

力強い輝き、角度・生成温度次第で変わる色彩が、すべてを見通す心眼をもたらし、

洞察力・直観力・決断力、物事の本質を見抜き、視野が広がるとされてきた。

 

 

内に猛獣を秘める、毒を以て毒を制す などと顕されるように

痛みを克服し、活かす事の出来る深い洞察力に神が宿るのかもしれない。